研究課題/領域番号 |
19K06389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中山 智宏 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00419649)
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研究分担者 |
杉谷 博士 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20050114)
中野 令 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (60755619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 口腔内悪性黒色腫 / イヌ / インターロイキン1β / COX-2 / MAPキナーゼ / ERK5 / MMP-3 / GLUT / 悪性黒色腫 / NF-κB p65 / NF-κB p105 / マトリックスメタロプロテアーゼ3 / ERK1/2 / 口腔内悪性腫瘍 / ERK / PKC / 抗炎症効果 / 抗腫瘍効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はイヌ悪性黒色腫に対する新たな治療を開発するための基礎研究である。従来、腫瘍の治療標的は、遺伝子およびタンパク質の “発現”に焦点を当てて探索されてきた。本研究では解析が遅れていた腫瘍細胞のシグナル伝達経路の“活性化”に焦点をあてる。本研究の目的は、イヌ悪性黑色腫において「腫瘍特異的“活性化”経路」としてERK5経路を標的とした抗炎症-抗腫瘍効果を明らかにすることである。本研究成果から、有効な治療法のないイヌ悪性黑色腫に対する新規治療法の開発が見込まれ、「腫瘍特異的“活性化”経路」を標的とする悪性化制御のコンセプトは他の多くの悪性腫瘍に対する緩和療法の開発につながることが期待できる。
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研究成果の概要 |
腫瘍において炎症性微小環境がその挙動に大きく影響する。本研究の目的は,イヌメラノーマにおける炎症による「腫瘍特異的“活性化”経路」を明らかにし,新規治療法に結び付けることである。イヌメラノーマ細胞において,IL-1βはマトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)の発現と放出,細胞遊走を促進した。また,IL-1βによるシクロオキシゲナーゼ2 (COX-2)発現にはMAPキナーゼ系のERK5が関わることが判明した。イヌメラノーマ細胞では糖輸送体GLUT1およびGLUT3が発現し,細胞増殖への関与を明らかにした。これらの細胞内シグナルやタンパク質発現がイヌメラノーマ治療標的となることが考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性黒色腫(メラノーマ)はイヌの口腔内悪性腫瘍で最も発生頻度が高く,また,致死的な腫瘍疾患である。また,イヌメラノーマは増殖,浸潤,転移が非常に速く,診断時には既存の抗腫瘍治療(外科手術,抗がん剤)が不適応となることが多い。本研究では,イヌメラノーマ細胞において腫瘍悪性化の一要因である炎症下で活性化される転写調節や細胞内シグナル分子を明らかにした。これらのイヌメラノーマでの特異性は,新規治療法の標的となることが考えられることから,本研究成果は獣医療学的に大きな意義を有する。
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