研究課題/領域番号 |
19K06394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
前田 秋彦 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (70333359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トゴトウイルス / マダニ媒介性感染症 / 病原性 / 野生動物 / 馴化 / マダニ保有状況調査 / 中和試験 / マダニ媒介ウイルス / オルソミクソウイルス / マダニ |
研究開始時の研究の概要 |
2013年に京都市で捕集したマダニから、日本では未確認であったトゴトウイルス(THOV)を分離した。このウイルスの動物に対する病原性は不明である。本研究では、THOVが実験動物への感染性について用いて検討する。感染が成立し、病気を発症したときには、その病態形成のメカニズムについて詳細に解析する。また、京都市に生息する野生動物の感染血清疫学調査を行い、自然界におけるTHOVの感染状況を明らかする。本研究を通して、日本に生息するマダニが、動物に感染し、感染症を引き起こす可能性を持つ未知の病原体を保有していることを示し、家畜衛生および公衆衛生における「先回り対策」について提案する。
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研究成果の概要 |
近年、マダニが媒介するウイルス感染症が世界的な公衆衛生上の問題の一つとなっている。日本においても、マダニの保有する未知のウイルスが、新たな感染症を引き起こす可能性がある。本研究では、2013年に京都市で捕集したマダニから分離した新規のトゴトウイルス(WT-THOV)が、アライグマ等の野生動物へ感染していることを示した。また、ハムスターに致死的病変を引き起こした。一方、WT-THOVはマウスには病原性は示さなかった。しかし、マウスに20回連続感染したTHOV(MA-THOV)は、マウスに致死的感染を引き起こした。これらの結果は、THOVが哺乳動物に対する病原性を持つことを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然環境中には多くのマダニが生息しており、様々な微生物を保有している。その中にはヒトや動物に感染症を起こすものも存在する。私たちは2013年に京都市で捕集したマダニから、日本では確認されていなかったトゴトウイルス(THOV)を分離した。発見した当時は、THOVの病原性は未知であった。そこで本研究で、THOVの動物への感染性や、病原性を明らかにした。これらの研究結果は、私たちの周りには、未知の病原体が存在していることを示している。生態系における未知の病原体の存在をチェックすることにより、その病原体が引き起こすかもしれない感染症に対する「先回りした」対策を講ずることが可能となる。
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