研究課題
基盤研究(C)
重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome; SFTS)は、フェニュイウイルス科フレボウイルス属に分類されるマダニ媒介性のSFTSウイルス(SFTSV)による急性ウイルス感染症で、高熱、血小板減少、白血球減少、肝機能低下、出血、多臓器不全などを主徴とする。SFTSの致死率はヒトで約17%、ネコで約50%と極めて高い。ネコのSFTSには有効な特異的治療法もなく、獣医医療従事者や飼育者が発症動物から感染して発症した例も報告されている。One Health及び人獣共通感染症の観点からネコ及びヒトのSFTSの予防に寄与する。本研究ではネコに有効なSFTSワクチンを開発する。
ネコの重症熱性血小板減少症候群(SFTS)感受性を実験感染により照明した。ワンヘルスの観点からネコのSFTSワクチン開発を行った結果、不活化ワクチンウイルス様粒子(VLP)ワクチンは致死的感染防御効果は認められたが、発症防御効果が不十分であった。一方、DNAワクチンは発症防御効果、致死的感染防御効果とも十分であったが4回の免疫が必要であった。
SFTSは、西日本を中心に人の患者が600名以上報告され,致死率が20%程度と非常に高いウイルス感染症である。さいきん、ネコがSFTSに最も感受性が高く60%程度の致死率であることが分かった。発症動物からの直接感染事例が獣医師、獣医看護師、飼育者で相次いで報告されている。そこでワンヘルスの観点からネコのSFTSワクチンの開発を行った。試作ワクチンの中ではDNAワクチンが最も有効であったが4回の接種が必要であり、改良あるいはmRNAワクチンの開発派が必要と考えられた。SFTSワクチンが出来ると流行地でのネコの発症予防とともに動物から人への直接感染を防御することが可能となる。
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PLOS ONE
巻: 16 号: 1 ページ: e0238671-e0238671
10.1371/journal.pone.0238671
Sci Rep.
巻: 9 号: 1 ページ: 11990-11990
10.1038/s41598-019-48317-8