研究課題/領域番号 |
19K06408
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
山本 昌美 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (30530026)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | Dog / Mammary tumor / FGFR / Cell line / Real-time RT-PCR / Cancer / IHC / TMA / イヌ / 乳腺腫瘍 / 遺伝子発現解析 / 分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年ヒト腫瘍で高い発現が報告されている線維芽細胞増殖因子受容体(Fibroblast growth factor receptor:FGFR)の発現を、イヌで発生の多い乳腺腫瘍において検索し、その発現と悪性度の関連を検索する。 検索対象としてイヌの乳腺腫瘍組織と乳腺細胞株を用いる。各FGFRの発現と悪性度との関連を調べ、悪性度をはかるマーカーとなりうるかを検討する。またヒトで報告のある遺伝子変異箇所などの検索をおこない、遺伝子変異の有無や発現の変化の腫瘍細胞の特性への影響を調べる。
|
研究実績の概要 |
イヌの乳腺腫瘍は、乳腺を構成する2種類の上皮細胞(腺上皮細胞、筋上皮細胞)の腫瘍細胞の増殖に加えて、腫瘍細胞の軟骨、骨などへの形質の変化、線維芽細胞などの間葉系成分も増えることが特徴である。イヌにおけるFGFRsの発現の特徴を探るため、上皮と間葉系を含めたイヌの全身組織におけるFGFRsの発現量の検討をおこなった。 病理解剖に供されたイヌの各種正常組織の小片をRNA laterに浸漬し凍結保存し、残り組織はパラフォルムアルデヒドで固定した。凍結小片組織からRNA抽出をおこないcDNAを合成し、FGFR1-4発現量をイヌのFGFR1-4に対するTaqman Probeを用いたreal-time RT-PCRによって解析した。 正常組織での発現は、FGFR1、2および3において脳で最も高い発現が確認され、FGFR4では、結腸と肝臓が高い値を示した。すべてのFGFRで骨格筋が著しく低値を示した。正常組織のRNA発現量の傾向は概ねヒトの組織で知られている発現と同様であることが明らかとなり、またこれによりイヌFGFRsに対するTaqman Probeが発現解析に有用であることが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
市販の抗体を複数試したが、安定した結果に結びつかず、やはり抗ヒトのFGFR抗原に対する抗体であることが影響していると考えられた。そのため、イヌFGFRを抗原とする抗体の作製を計画しているが、抗原タンパクの決定で難航している。
|
今後の研究の推進方策 |
イヌFGFRsに対するTaqman Probeの有効性が確認されたことから、乳腺腫瘍組織と培養細胞でのRNA発現の大きな違いについての意義を探る。これには培養細胞がモノクローナル増殖であることが関連していることも予想され、組織上での個々の細胞の発現解析を実施予定である。
|