研究課題/領域番号 |
19K06419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
尾崎 弘一 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80396332)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 大腸菌症 / バクテリオファージ / 薬剤耐性菌 / 相補的短鎖RNA / APEC / ESBL / 相補鎖RNA / ニワトリ / 溶原化 |
研究開始時の研究の概要 |
鶏大腸菌症はAvian Pathogenic Escherichia coli(APEC)により引き起こされ問題となっている。近年多剤耐性化したAPECによる発症が認められ、抗生物質による対処にも限界があることが判明した。そこで本研究では、細菌に特異的に感染するバクテリオファージを活用した衛生管理方法を構築する。ビルレントファージの噴霧またはテンペレートファージを応用した相補鎖RNAによる薬剤耐性菌の感受性化により鶏大腸菌症発生リスク低減に挑む。
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研究成果の概要 |
鶏飼養農場の敷料から大腸菌集団、各農場の鶏の飲用水からバクテリオファージを分離した。分離したファージサンプルを噴霧すると同一農場で採取された大腸菌集団とファージの組み合わせで溶菌効率が高い傾向が認められた。次にセフォタキシム耐性を付与するblaCTX-Mに対する相補的短鎖RNA発現系を構築した。セフォタキシム耐性大腸菌にこの発現系を導入したところ、性状が感受性と変化した。またこの発現系をM13ファージの感染によりセフォタキシム耐性大腸菌導入したところ、薬剤存在下で菌の発育は抑制された。本課題の相補的短鎖RNA発現系を導入できれば従前の薬剤を用いて病原菌の制御が可能となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題により飼養農場に存在するファージを用いることでその農場の大腸菌集団の数を減少させる効果があることが明らかとなった。またその効果は農場ごとに固有となる傾向が認められたことから薬剤ではなく農場の材料で疾病の発生リスクを減少させる可能性を見出した。相補的短鎖RNA発現系を導入した菌は耐性であった菌を再び感受性化し、これまで開発された薬剤を再度使用可能とすることを見出した。薬剤のみに頼らず、ファージを用いた飼養管理ならびに薬剤への再感受性化といった複数の方策を併用することにより包括的に鶏大腸菌症を制御することが可能であると考えられる。
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