研究課題/領域番号 |
19K06424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
藤本 佳万 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (20613631)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヘルペスウイルス / ツル科 / 野生鳥類 / 病原性 / ゲノム解析 / 野生ツル |
研究開始時の研究の概要 |
日本最大規模の越冬地として知られている鹿児島県出水平野には、絶滅危惧種のツルが毎年多数飛来する。希少野生動物の保護および観光資源の保全における重要性から、鹿児島県、出水市および鹿児島大学共同獣医学部が協力して、衰弱したツルの保護や死亡したツルの死因調査を継続して行ってきた。近年、ヘルペスウイルス感染による死亡が疑われる個体が多数発見されており、原因ウイルスを同定し、感染症対策を講じることが喫緊の課題として挙げられている。本研究課題では、野生ツルの感染症対策に資する情報を構築するため、出水平野に飛来するツルからのヘルペスウイルス分離とその性状解析および流行状況を明らかにする疫学調査を行う。
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研究成果の概要 |
鹿児島県出水平野に飛来したナベヅルより分離されたヘルペス様ウイルスの性状解析を実施した。全ゲノム解析の結果、全長約159 kbpのゲノムを持ち、83個のオープンリーディングフレームを含むことが予想された。分子系統解析により、分離ウイルスはαヘルペスウイルス亜科のマルディウイルス属に近縁であることが示唆された。発育卵接種試験において、ニワトリおよびカモ等の家禽胚に致死的な病原性を示すウイルスであることが明らかにされた。本研究を実施して得られたツル由来ヘルペスウイルスのゲノム配列情報や家禽に対する病原性試験結果は、希少野生鳥類であるツルにおける感染症対策における有用な情報になると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題においてツルに病原性を示すヘルペスウイルスの遺伝学的性状および生物学的性状を明らかにした。得られたゲノム配列は、ヘルペスウイルスの多様性と進化を正確に知るうえで貴重な情報になり、さらに、本ウイルス感染症における遺伝子診断技術開発の基礎情報としても有用と考えられる。ツル科鳥類の多くの種は、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅の危機に瀕していると評価されていることから、本研究成果はツルの感染症対策を通じた保護活動に将来役立てられる事が期待される。
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