研究課題/領域番号 |
19K06449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
水野 信哉 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10219644)
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研究分担者 |
大崎 恵理子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50447801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | HGF / c-Met / 低温ストレス / エネルギー代謝 / シグナル伝達 / 転写調節因子 / 虚血耐性 / 冬眠 / 生体防御 / 細胞内シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
ハムスターを低温で飼育する事により冬眠を惹起し、入眠誘導期→冬眠維持期→覚醒期におけるHGFおよびその受容体であるc-Metの変動を明らかにする。次いで冬眠ハムスターにHGF中和抗体(またはc-Metキナーゼ阻害剤)を投与する事により心不全や肝不全、腎不全が惹起される可能性を検討する。さらに低温下で培養したハムスター心筋細胞などを用い、HGFによる細胞死抑制機序を解析する。以上の解析により低温ストレスにより誘導されるHGF-c-Metシステムが低温虚血状態での臓器保護に中心的な役割を担う事を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年度は、冬眠モデルであるゴールデンハムスター、コクワガタ、アカハライモリならびにトーパー(擬似冬眠)のモデルであるマウスを用いて、以下の解析実験を行った。 (1)まず冬眠モデルであるゴールデンハムスターを用いて、餌の嗜好性や日内行動様式に関する基礎的なデータを集積した。この過程で、冬眠前の接餌量増加に関連して、求餌-嗅覚センサーとしても知られているある分子Xを介して餌の嗜好性や天敵となる肉食動物(捕食動物)の糞尿中の成分に対する忌避行動を示すことを分子X阻害剤を用いて明らかにした。その成果の一部は学内の研究発表会にて発表し、現在、英文原著論文の作成を進めている。(2)寒冷ストレス、虚血ストレスと関連する複数の転写調節因子に着目し、日内変動や病態ストレスに対するゴールデンハムスターやマウスにおける転写調節因子の発現推移(自然経過)ならびにHGF-HGF受容体/MET系の関連の一端を明らかにした。その成果の一部は学内の研究発表会にて発表し、現在、英文原著論文を作成中である。(3)ある種の培養細胞を用い、寒冷ストレスや虚血ストレスに対するHGF-Met系シグナル伝達増強とその下流イベントを明らかにしつつある。(4)冬眠することで知られているコクワガタとアカハライモリを用い、小型冷蔵ボックスにおける冬眠誘導法を検討した。24℃を基準とし、一定の期間を置きつつsemi-openの形で酸欠を回避しつつ、4℃ずつ下げることで冬眠を誘導できる条件を設定することができた。 以上の成果は学術集会で発表する予定であったが、学会の中止、もしくはセキュリティーの低いオンラインでの開催となったため、やむなく発表を見送った経緯がある。データの再現性やブラッシュアップを行い、次年度にまとめて学術集会や英文原著論文として公表していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由:新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言の発出によりオンライン授業やテレワークの需要が激増し、実験に費やす時間が大幅に削減された。冬眠哺乳動物であるゴールデンハムスターは新型コロナウイルスに感染するモデルとして重用されており、業者から購入することが困難となった時期があった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の後半はCOVID-19緊急事態に対応するシステムが構築され、徐々に研究時間を取り戻せつつある。ゴールデンハムスターはCOVID-19モデルとしての需要が増えており、冬眠のモデルであるゴールデンハムスターの入手も少しずつ改善されつつある。イモリやクワガタを用いて、簡易冷蔵ボックスによる冬眠誘導法を確立しつつある。ハムスターが入手困難が継続する場合は、トーパー(仮冬眠)を示すモデルであるマウスを用いた実験系を先行させる可能性もあり、現在検討を進めている。
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