研究課題/領域番号 |
19K06451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
原 聡史 佐賀大学, 医学部, 助教 (80739582)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゲノムインプリンティング / Dlk1-Dio3ドメイン / CRISPR/Cas9 / IG-DMR / ゲノム編集 / 2細胞期インジェクション |
研究開始時の研究の概要 |
Dlk1-Dio3領域は、インプリント遺伝子とよばれる哺乳類にとって重要な遺伝子が集中する領域のひとつで、IG-DMRとよばれる領域によって制御されている。IG-DMRを約4 kb欠失した母親マウスから欠失を遺伝した仔は、領域のインプリント遺伝子が発現異常を起こし致死となるため、母由来のIG-DMRは生存に必須であると考えられる。しかし、母由来IG-DMRの制御機構の全容は不明である。本研究では、IG-DMRによるインプリント遺伝子の制御機構の全容を解明するために、ゲノム編集を用いて、欠けると発現異常になる領域を4 kbから細かく絞り込む。次いで、絞り込んだ領域の機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまでに報告されたIG-DMRの4.1 kb欠失マウスで認められた母方由来で周産期致死となる表現型の責任領域を探索した。その結果、IG-DMR内部のGtl2側2.7 kb領域が母方アレルにおいて重要であることを明らかにした。この領域の内部をさらに3つの領域に分け、それぞれの領域を欠失させたマウスについて、欠失を父由来あるいは母由来で遺伝した場合の表現型を解析した結果、すべての欠失で父由来、母由来のいずれにおいても周産期致死は認められなかった。このことから、欠失アレルの母由来遺伝による周産期致死は、IG-DMRの2.7 kb領域すべてを欠失した場合に生じることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果から、IG-DMRには複数の領域に異なる分子機構が存在する可能性が示唆された。今後、それらの領域に結合する分子を同定することで、IG-DMRによる遺伝子発現制御の全容を解明することが可能になると考えられる。IG-DMRの欠失は、ヒトにおいては重篤な小児遺伝性疾患であるKagami-Ogata症候群およびTemple症候群の原因であることが知られている。本研究の成果は、IG-DMRによる遺伝子の発現制御機構を解明するだけでなく、IG-DMRの欠失を母由来に遺伝した際に発症するKagami-Ogata症候群の病態解明に貢献することが期待される。
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