研究課題/領域番号 |
19K06474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
河野 菜摘子 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00451691)
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研究分担者 |
宮戸 健二 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 室長 (60324844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 精液 / 精嚢 / ヒト化マウス / 自然免疫 / 補体 / 精子生存 / 精嚢タンパク質 / 副経路 / C3 / SVS2 / Semg1/2 / ヒト型精液 / 補体C3 / 精子選抜 / 精液タンパク質 / 生殖免疫 / ヒト型精液モデルマウス / 体内受精 |
研究開始時の研究の概要 |
私達の体は生体防御によって感染症の脅威から守られている。着目するのは、自然免疫の中核で、病原体を直接攻撃する『補体』である。女性の生殖器内ではたらく免疫の研究から、新しい補体活性化システムが存在する可能性がでてきた。本研究では、補体による『殺精子作用』を中和する精液タンパク質の『抗補体作用』に着目し、生殖免疫から自然免疫全般につながる新しい補体活性化システムの発見をめざす。精液タンパク質は生殖免疫から精子を保護するという仮説のもと、体内受精のしくみを免疫学的観点から解明し、新規な自然免疫機構の解明ならびに発生工学から生殖医療への応用につなげたい。
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研究成果の概要 |
マウス子宮内では精子を殺すしくみが存在し、その作用から精子を保護するために精液タンパク質が存在する。本研究では、マウスの精液タンパク質をヒトのものに置き換えたマウスの作製に成功し、表現型解析によってこれらが機能的に相同であることを明らかにした。またマウス子宮内ではE2依存的に補体C3が合成・分泌されること、C3が精子に結合しC3bへと変換することを明らかにした。C3KOのメスマウスを使用したところ、精子の死滅率低下に加え、不妊のオスマウスからもわずかに産仔が得られた。この結果より、子宮においてC3は異物である精子を排除する機能に加えて、受精や発生に適した精子を選別している可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの繁殖様式である体内受精には、女性因子と男性因子のバランスで成り立つ複雑さがある。社会問題となっている不妊症患者の中にも、卵や精子自体には異常がみられないが子供が得られないケースが多々ある。複雑な体内受精のしくみを少しでも明らかにすることで、不妊原因の究明ならびに、より自然な妊娠を可能にする治療法の開発が可能になる。本研究では、特にヒト精液タンパク質を大量に合成できるKIマウスの作製に成功した。このマウスを使用することで、ヒトではなかなか解析を進めることができない精液タンパク質の機能について進めることができた。もう少し研究を継続することで臨床現場にて活躍できる添加物の製造につながる。
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