研究課題/領域番号 |
19K06477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
天野 孝紀 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, チームリーダー (20419849)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 疾患モデル / マウス / ゲノム / 遺伝子発現 / ヒルシュスプルング病 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の塩基配列決定技術の発展により、患者ゲノムから多数のバリアントが見出されている。しかし、そのほとんどがゲノムの98%を占める非コード領域に存在し、実際にどのように疾患に関与しているのか不明である。本研究では、非コード領域のバリアントと疾患発症の関連性を明らかにするために、マウス亜種を利用した遺伝学的アプローチをとる。マウス亜種の交配F1個体では、同じ細胞内の均質なトランス因子環境下で各亜種由来のシスバリアントの機能を正確かつ網羅的にモニターすることができる。疾患発症に伴って、シスバリアントに影響を受ける遺伝子群を同定し、ゲノムの非コード領域の役割を解明する。
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研究成果の概要 |
シスバリアントの疾患表現型への影響を明らかにする目的で、ヒルシュスプルング病を対象とし、マウスによる多因子疾患のモデリングを行った。日本産モロシヌス亜種に属するJF1マウスは、エンドセリン受容体遺伝子(Ednrb)にレトロトランスポゾンの挿入変異があり低頻度でヒルシュスプルング病様の症状を呈する。ゲノム編集によってJF1ゲノムからこのレトロトランスポゾンを除去したところ。腸管神経発生と白斑の改善が認められた。 C57BL/6とJF1マウスによる比較発現解析により、Ednrb以外にもシスバリアントの存在が示唆される遺伝子座が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多因子疾患の発症メカニズムとして、ゲノムのシス制御配列のバリアントに基づく遺伝子発現量の変動が重要であることが提唱されている。しかし、複合的なシスバリアントの効果がどのように疾患表現型の違いを生み出しているのか、実験的に実証した研究はほとんどない。本研究では、ゲノム多様性を十分に有したマウス亜種系統を利用して、シスバリアントの効果を反映するアレル特異的遺伝子発現の検出を行った。多因子疾患のモデリングを通じて、ゲノムの非コード領域の役割を解明するためのin vivoの実験モデルを構築できた。
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