研究課題/領域番号 |
19K06480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武藤 哲彦 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80343292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | B細胞 / Bach2 / 形質細胞 / クラススイッチ / 転写因子 / シングルセル |
研究開始時の研究の概要 |
B細胞は、抗原で活性化されると抗体を分泌する形質細胞へ分化する。一部のB細胞はクラススイッチ応答を経て、IgMからIgG他へ抗体の遺伝情報を改編し、他のアイソタイプ抗体を産生するB細胞へ分化する。さらに、活性化B細胞のなかから、記憶B細胞へ分化するB細胞もある。この際、同じ抗原を認識するB細胞集団であっても活性化応答は細胞ごとり、多様性を生むメカニズムは未解明である。そこで、本研究ではBach2を介した細胞運命決定のメカニズムをシングルセル解析手法により明らかにすることを目指す。本研究により、リンパ球の増殖や分化を制御するメカニズムを詳細に解明し、免疫応答の統合的な理解につなげたい。
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研究成果の概要 |
B細胞は抗原で活性化されると複数の細胞運命から選択して応答する。細胞運命決定の多様性は外的要因と細胞の内的要因が統合されて制御される。しかし、内的調節因子は確定されておらず、協調的に機能は不明である。分化に伴って遺伝子発現が変化することから転写因子が内因に想定されてきた。しかしシングルセルレベルでは如何に制御するのか不明である。レポーターマウスの解析からBach2の確率的な発現が内因として働き個々のB細胞の不均質性をうむことを示した。シングルセルPCR解析ではBach2の発現レベルがB細胞の運命決定の可能性に影響することがわかった。本研究で活性化B細胞運命決定の制御メカニズムの一端を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫応答を担うBリンパ球(B細胞)は、抗原で活性化されると抗体を分泌する形質細胞へ分化するのか、抗体のアイソタイプをデフォルトのIgMからIgGやIgAもしくはアレルギーの原因となるIgEに変更するクラススイッチをおこなうのか、免疫記憶を担うメモリーB細胞に分化するのか、さらに抗体の抗原に対する結合能(親和性)を上げるために胚中心B細胞に分化するのかという複数の細胞運命から選択する。しかし、この細胞運命決定がどの様なメカニズムで規定されるのかは不明であった。本研究では転写因子Bach2が確率的に決定される細胞運命の細胞自身の内的要因である可能性を見出した。
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