研究課題/領域番号 |
19K06489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平野 泰弘 大阪大学, 生命機能研究科, 特任講師 (10508641)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 核膜 / Lem2 / Bqt4 / 極長鎖脂肪酸 / Elo2 / PCS1 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では核膜タンパク質であるlem2bqt4二重破壊によって引き起こされる合成致死性を極長鎖脂肪酸合成酵素Elo2が相補する分子メカニズムを遺伝学・分子生物学・細胞生物学・生化学的手法を用いて解析することにより、極長鎖脂肪酸とLem2-Bqt4の機能的関連を明らかにする。極長鎖脂肪酸の多くはスフィンゴ脂質やセラミドとして主に細胞膜に存在し、神経軸策形成や皮膚の保湿バリアに必須の成分であるが、核膜における役割はこれまで知られていない。本研究は極長鎖脂肪酸の細胞内膜系全般の機能維持における役割を示唆しており、他分野への波及効果も期待される。
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研究成果の概要 |
核膜に局在する核膜タンパク質は細胞の分化運命決定に関与するなど、細胞の機能発現に重要な役割を果たす。本研究は核膜タンパク質であるLem2とBqt4の欠損が致死性を示す理由を明らかにすることを目指した。Lem2とBqt4の両方が欠損した細胞では核膜に大きな穴が開き、そこから核のタンパク質が漏出することが原因で細胞が死ぬことが分かった。炭素鎖が21以上の極長鎖脂肪酸および極長鎖脂肪酸を含むセラミドと呼ばれる脂質を増加させる酵素Elo2の過剰発現によってこのような穴は開かなくなったことから、核膜タンパク質が脂質膜の組成を制御していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で核膜が破れず機能するために核膜タンパク質が必須であることが分かった。核膜が破れずにいるためには脂質膜組成比が重要となることもわかった。本研究で明らかになった極長鎖脂肪酸は生体内の総脂肪酸量のわずか数%しかないのにも関わらず必須の機能を持つ重要な脂質である。極長鎖脂肪酸はスフィンゴシンとセラミドと呼ばれる脂質を形成し、皮膚を乾燥から防ぐバリア機能を持つ。これまでセラミドは主に細胞膜に存在すると考えられてきたが、核膜でも核内環境維持のためのバリア機能を果たすことが考えられた。
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