研究課題/領域番号 |
19K06490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤本 充章 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80359900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HSF1 / TRRAP / TIP60 / TRIM33 / PLK1 / メラノーマ細胞 / ChIP-MS / ChIP-mass / 凝集体形成 / HAT / エピジェネティック |
研究開始時の研究の概要 |
熱ストレスにより活性化された熱ショック転写因子1(HSF1)は、熱ショック蛋白質(HSP)の遺伝子プロモーターに結合して転写を活性化するヒストン修飾を導く。しかし、HSF1 がリクルートするヒストン修飾関連因子は未だ不明である。申請者は、熱ストレス特異的なHSF1 転写複合体蛋白質をChIP アッセイ法と質量分析法を統合したChIP-mass 法で解析し、エピジェネティック制御i因子を同定する。そして、この新規HSF1 転写複合体によるストレス誘導性HSP 遺伝子のエピゲノム変化の分子メカニズムおよび遺伝子発現制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
HSF1が熱ショック時にHSP70プロモーターにおいてTRRAP-TIP60複合体を、HSF1-S419のリン酸化に依存してリクルートすることを明らかにした。また、TRIM33はHSF1との相互作用とTIP60を介したアセチル化によってプロモーターにリクルートされ、TRIM24と協力してヒストンH2BのK120をモノユビキチン化した。これらのヒストン修飾の変化は、PLK1を介したHSF1-S419のリン酸化によって引き起こされ、HSP70プロモーターにおけるHSF1-転写複合体を安定化させる。さらに、メラノーマ細胞ではHSF1-S419のリン酸化が構成的に亢進し、増殖を促進することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、HSF1-TRRAP-TIP60複合体が、HSF1結合領域周辺のクロマチン修飾を変化させ、がん細胞の増殖に関与することを明らかにした。この複合体形成はHSF1のS419リン酸化に依存した。さらに、マウスを用いた実験から、この複合体の形成阻害するHSF1-S419変異体はメラノーマ細胞の腫瘍形成を顕著に抑制することを明らかにした。よって、HSF1-TRRAP-TIP60複合体の解析から、腫瘍形成に重要なHSF1リン酸化依存的な活性型クロマチン状態の確立の新規メカニズムを提供し、このメカニズムをターゲットとした新たな治療薬の開発に結びつく可能性がある。
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