研究課題/領域番号 |
19K06493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡邊 孝明 東海大学, 医学部, 講師 (20421365)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | R-loop / 紫外線 / DNA修復 / DNA複製ストレス / 皮膚癌 / DGCR8 / TC-NER / DEAD-boxヘリカーゼ / 転写共役ヌクレオチド除去修復 / DHX9 / タンパク質間相互作用 / 複製ストレス / 癌 / ゲノム不安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
転写過程で生じるR-loopは遺伝子の正常な発現制御に関わる一方、DNA複製の障害やDNA切断の原因となってゲノム異常のリスクとなる。R-loopは神経疾患やトリプレットリピート病等に加え癌の発症・病態に関わるが、その制御機構には不明な点が多い。これに対しマイクロRNA生合成因子DGCR8がR-loopによる複製ストレスやDNA切断に関わる可能性を見出し、本研究ではDGCR8を軸にR-loop形成からゲノム異常に至る過程を解析し、癌R-loopの理解を深める制御モデルを確立する。さらに癌細胞で蓄積するR-loop除去を妨げて細胞死を誘導する癌治療戦略の可能性も模索したい。
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研究成果の概要 |
転写過程で生じるR-loopは遺伝子の正常な発現制御に関わる一方、DNA複製の障害やDNA切断の原因となってゲノム異常のリスクとなる。 本研究では、miRNA生合成因子であるDGCR8が紫外線照射に応じてSer153がリン酸化され、R-loop制御に関わる転写共役ヌクレオチド除去修復(TC-NER)やRNAヘリカーゼと相互作用し重要な役割を担う可能性を示した。またDNAファイバー解析により紫外線に対する複製制御にも必要であることが示唆された。 以上により、DGCR8が紫外線によるR-loop蓄積が引き起こす複製ストレスやDNA切断に関わる可能性を示し、癌R-loopを理解する手がかりを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮膚癌は世界的に深刻な死因の一つであり、日本では近年高齢者の罹患率が大きく上昇し、高齢化社会に伴う患者数増加が予想される。また欧米では、今後20年で皮膚癌の一種のメラノーマの罹患数が倍増し、第二位になると予想されている。紫外線はその最大の要因であるが、癌の引き金となり得るR-loopというゲノム構造との関係には不明な点が残されていた。本研究では異なる経路で働くことが知られるDGCR8が紫外線によるR-loopの過剰な蓄積を防ぐ役割を果たしている可能性を初めて示した。またR-loopは紫外線以外の様々な原因で蓄積するため、DGCR8による制御機構の解明が更なる波及効果を生むと期待できる。
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