研究課題/領域番号 |
19K06501
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
佐野 将之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80415687)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | miRNA / 細胞質RNAベクター / 人工miRNA / RNAi / microRNA / RNAベクター |
研究開始時の研究の概要 |
microRNA(miRNA)は約22塩基の機能性RNAであり、多岐にわたる生命現象を制御している。miRNAは前駆体としてゲノムから転写された後、核および細胞質で段階的なプロセッシングを受け、成熟miRNAとして機能することが知られている。一方、細胞質で産生されるmiRNAの生成機構については十分な理解が得られていない。本研究課題では、細胞質におけるmiRNA生成の作用機序を明らかにし、効率よく機能性RNAを発現できるRNAベクターを開発する。
|
研究実績の概要 |
センダイウイルスはネガティブ一本鎖RNAをゲノムに持つウイルスであり、宿主の細胞質において、ウイルスゲノムの複製及びウイルスmRNAの転写を行う。我々は、センダイウイルスを骨格とした非伝播型ベクターを開発しており、このベクターから発現させたmiRNA前駆体が、機能をもつ成熟miRNA にprocessingされることを確かめている。本研究では、細胞質でのmiRNA生成機構に焦点を当てており、昨年度、miRNA前駆体のprocessingに関与する因子を調べるために、ゲノム編集によりmiRNA processing因子をノックアウトした細胞株の作製を試みた。しかし、miRNA processing因子の欠損が細胞増殖に影響を与えるためか、目的クローンを得ることが困難であった。このため、本年度はprocessing因子ノックアウト株を蛍光レポーターの発現を指標に取得できる系の構築を試みた。得られたノックアウト株については、miRNA前駆体を発現するセンダイウイルスベクターを導入し、miRNA processing効率を検証した。さらに、miRNA前駆体の構造がprocessingに影響を与えることから、前駆体に変異やバルジを挿入し、それらがmiRNA processingに与える影響を検証した。また、miRNA前駆体と結合する因子を同定する目的で、細胞質でのprocessing効率が高いmiRNA前駆体を用いたプルダウンアッセイについても検証を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、miRNA processing因子ノックアウト細胞株を取得し、この細胞を用いることで、センダイウイルスベクターからのmiRNA前駆体 processingへの影響を調べることができた。また、miRNA前駆体に部分的変異やバルジを挿入したベクターを用い、miRNA processing効率への影響を調べることができた。現在、ノックアウト実験と合わせて、processingに影響を与える構造の検証を行なっている。
|
今後の研究の推進方策 |
ゲノム編集により、複数のmiRNA processing因子ノックアウト細胞を作製し、センダイウイルスベクターからのmiRNA processingに影響を与える因子について検証を進める。また、これまでに構築したT7 RNA polymeraseを用いた評価系、プルダウンアッセイなどの生化学的実験を組み合わせ、細胞質でのmiRNA前駆体processingに関与する因子およびprocessingに影響を与えるmiRNA前駆体構造の検証を行う。
|