研究課題/領域番号 |
19K06503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
丁 大橋 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所バイオICT研究室, 嘱託 (50359080)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 相同染色体対合 / 相分離 / 長鎖非コードRNA / RNA結合タンパク質 / in-vitro 解析 / 分裂酵母 / 減数分裂 / 液液相分離 / 染色体対合 / 精製タンパク質 / RNA / ドロップレット / 非コードRNA / 染色体 / 対合 / lncRNA |
研究開始時の研究の概要 |
有性生殖を司る減数分裂の最初のステップにおいで親世代から承け継いだ相同染色体が互いを見つけて対合するが、染色体対合のメカニズムが未だに解明されていない部分が多い。分裂酵母の染色体滞留lncRNAが相同染色体の対合を促進し、そこに複数のRNAプロセッシング因子が寄与することがこれまでの研究で明らかになった。本研究は、ライブセルイメージングからChIP-seqまで多様な分子細胞生物学研究手法を用い、新規のlncRNAに依存するロバストな対合サイトを同定し、さらにそのようなlncRNAの特徴を見出すことによって、染色体滞留lncRNAの相同染色体対合における役割と分子機構を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
相同染色体の対合は親から承け継いだ相同染色体が互いを見つけて接着する過程で、正常な対合が相同組換えに不可欠である。対合の分子機構を解明するのが本研究課題の目的である。本研究では、長鎖非コードRNAローカスが対合に寄与し、複数のRNA転写終結因子であるSmpたんぱく質がRNAと相分離したドロップレットを形成し、異なるRNAを持つドロップレット同士が融合できず、同じRNAを持つドロップレットしか融合できないことによって相同染色体対合の特異性が持たされたことを明らかにした。さらに、試験管内でSmpタンパク質のドロップレット形成を再現し、RNAによってドロップレットの物理的性質が変わることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
減数分裂の最初のステップとして相同染色体が互いを見つけて対合しなければならないが、相同染色体対合のメカニズムが未だに解明されていない部分が多い。対合が失敗すると、その後の相同組換えが大きく下がり、正常の配偶子の形成に影響を及ぼす。人間の場合は、不妊症や流産を引き起こす可能性が高まる。従って、相同染色体対合のメカニズムの解明が生物学の基本問題であり、未解決である。本研究の研究成果は分裂酵母における対合のメカニズムの解明に貢献し、それは他の生物も類似する普遍的なメカニズムではないかを示唆した。
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