研究課題/領域番号 |
19K06516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
清水 伸隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (20450934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 小角X線散乱 / X線溶液散乱 / SAXS / BioSAXS / SEC-SAXS / 全自動解析 / 低ランク行列因数分解 / Moore-Penrose疑似逆行列 / ゲル濾過クロマトグラフィー / 相関構造解析 / X線小角散乱 / 生体高分子 / 溶液構造 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質間相互作用を解析可能なX線小角散乱法(SAXS)に関しては、近年ゲル濾過クロマトグラフィー(SEC)と組み合わせたSEC-SAXSと呼ばれる新しい測定解析法が開発され、活発に利用されるようになってきた。しかし、SEC-SAXSで計測されたデータを効率よく、また精度良く解析するための標準的な解析法が世界的にも定まっていないため、問題がある解析が行なわれている場合も多い。そこで本研究では、SAXSの基礎理論と情報科学的手法を組み合わせて初心者でも使いやすいSEC-SAXSデータの全自動解析ソフトウェアを開発する。
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研究成果の概要 |
小角X線散乱(SAXS)は、生体高分子の溶液構造を解析するための手法である。この分野の最近の進歩は、多分散の溶液試料から標的分子をゲル濾過で単離しながら測定するSEC-SAXS法である。SEC-SAXSでは、複雑な溶液試料から構造情報を抽出できるが、測定や解析に関するいくつかの課題が指摘されている。本研究では、数百から数千に及ぶSEC-SAXSデータを全自動解析可能なソフトウェアMOLASSを開発・公開した。MOLASSは、SAXSの基本理論を基に、分析クロマトグラフィーで提案されたアルゴリズムや線形代数の技法を組み合わせて、それらの課題を効果的に処理することができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新たに世界中で活用されるようになったSEC-SAXS法では、従来の方法とは異なり、1回の測定で数百から数千ものデータを取得するため、それを迅速かつ高精度に解析する必要がある。本研究で開発したソフトウェアMOLASSは、初心者からでも利用できる使いやすい操作系を備えており、解析者に依存したバイアスを排除した自動判定による解析が可能である。手法エキスパートも、各解析ステップで自動処理の状況を確認しながら逐次的に進めることができる。MOLASSの利用により、多分散状態にある高難度な溶液試料からも標的分子の構造情報を取得できる可能性が高まり、手法価値を向上させることができた。
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