研究課題/領域番号 |
19K06523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 (2021-2022) 名古屋大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
藤内 玄規 愛知医科大学, ALS治療研究開発部門, 助教 (00748353)
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研究分担者 |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
佐橋 健太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90710103)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 球脊髄性筋萎縮症 / SBMA / タンパク質品質管理機構 / 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / 運動ニューロン疾患 / タンパク質品質管理 |
研究開始時の研究の概要 |
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は致死的運動ニューロン疾患であり、変異アンドロゲン受容体(AR)タンパク質の神経細胞核内への蓄積が病因と考えられる。この変異タンパク質の蓄積にはタンパク質分解機構が深く関わっているが蓄積過程への作用は不明な点も多い。そこで本研究では(1)標識した変異ARを持つモデル細胞を用いて変異タンパク質の発現と核内蓄積、凝集体形成過程及びタンパク質分解機構に関わる分子の病態への関与の解析、(2)モデル線虫を用いた核内蓄積、凝集体形成過程と運動機能への影響の解析を行い、SBMAにおける変異タンパク質がもたらす神経細胞の機能異常・細胞死のメカニズムを可視化し、治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
運動ニューロン疾患である球脊髄性筋萎縮症(SBMA)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、致死的神経変性疾患である。これらの疾患は、神経細胞の変性と異常なタンパク質の蓄積が見られ、SBMAにおいてはアンドロゲン受容体(AR)遺伝子内のCAGリピートの異常伸長による変異ARタンパク質の形成と神経細胞核内への蓄積が病因である。 本研究では異常タンパク質の分解系に関わる分子に着目し、その働きと疾患への関与を解析するため、変異AR遺伝子を導入したSBMAモデルを作成し、変異タンパク質と分解系に関わる分子との作用を解析する。さらに、様々な長さのCAGリピートを持つAR遺伝子を導入したSBMA培養細胞モデルを作成し、ARタンパク質のポリグルタミン鎖の長さの違いによる病態への影響とタンパク質品質管理機構関連分子との相互作用の変化を解明する。また、ALS患者の遺伝子解析により遺伝子変異が見つかり病態形成に関わることが示唆されたタンパク質品質管理機構関連分子について、ALSとSBMAの培養細胞モデルを用いて発現解析や機能解析を行い、運動ニューロン疾患に共通するメカニズムを探索する。 本年度は、変異AR凝集体に取り込まれたタンパク質品質管理機構関連分子を解析し、SBMAマウスにおいて取り込みによる発現量の減少を確認した。さらに、この分子の補償的な働きをする分子が加齢により発現量が減少することも明らかにした。SBMA培養細胞モデルにおいて、これらの分子の発現をノックダウンすると病態が進行し、いずれかの分子の高発現により病態の改善が確認されこれらの分子が病態形成に関与する可能性が示唆された。 また治療候補化合物の作用機序を解明するためにSBMA培養細胞モデル、マウスモデル検体で遺伝子発現解析を行い薬剤による発現変化を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、これまでにタンパク質品質管理機構を強化する化合物を同定しており、異常伸長したCAGリピートを有するヒト全長AR遺伝子を発現するSBMAモデルマウスにおいて治療候補化合物の投与による効果を評価した結果、Rotarod法、体重変化、生存率の全てのパラメーターで投与による表現型の改善が見られた。また、マウス組織のウェスタンブロット解析により、薬剤投与による変異ARタンパク質およびタンパク質品質管理機構に関与する分子の発現量変化が示され病態改善効果が確認された。 また変異ARのリピート長と毒性の関連解析では、特定のAR遺伝子のリピート長において、変異AR凝集体中に含まれるタンパク質品質管理機構に関連する分子を同定した。 本年度は、変異AR凝集体に取り込まれたこの分子を解析し、SBMAマウスにおいて取り込みによる発現量の減少を確認した。さらに、この分子の補償的な働きをする分子が加齢により発現量が減少することも明らかにした。SBMA培養細胞モデルにおいて、これらの分子の発現をノックダウンすると病態が進行し、いずれかの分子の高発現により病態の改善が確認された。 また治療候補化合物の作用機序を解明するためにSBMA培養細胞モデル、マウスモデル検体で遺伝子発現解析を行い薬剤による発現変化を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は本年度に実施した遺伝子発現解析から発現変動遺伝子をリストアップし機能解析によりタンパク質品質管理機構を強化する治療候補化合物の作用機序を明らかにする。また変異ARのCAGリピート伸長と神経毒性の関連解析をSBMAモデル線虫とモデルマウスで解析を進めるとともに培養細胞で確認された2つの分子の高発現による治療効果の再現を確認する予定である。
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