研究課題/領域番号 |
19K06526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
田中 良樹 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10632333)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 結晶構造解析 / 膜タンパク質 / クライオ電子顕微鏡 / 構造生物学 / 輸送体タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は多くの金属元素を無機栄養素として必要とする一方で、過剰な微量必須元素は細胞に障害をもたらす金属ストレスとなるため、濃度はコントロールされている。濃度制御にはいくつかの方法が考えられるが、輸送制御の影響力が大きい。そこで、本研究計画においては、金属イオン輸送体膜タンパク質に着目して輸送による生体内環境の維持システム解明を試みる。X線結晶構造解析の手法を中心に変異体機能解析を組み合わせて,構造面から機能を理解する。タンパク質による輸送機構を解明し、病気などの原因解明につなげることを目的として研究を進める。
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研究実績の概要 |
初年度の時点で,サンプルの大量発現および精製方法の確立と結晶化スクリーニングを試みていたが、構造解析に必要な結晶化には成功していなかった。タンパク質構造を安定化させるため、抗体との共結晶化を行うことにした。抗体作製時に脂質と混合し、リポソーム再構成をすることでより構造を維持した抗原から構造認識抗体を得られるような工夫を施した。マウス腹水から結合可能性のある抗体候補を複数得ることができた。複数の抗体が得られたため、その中からサンプルと安定した強い結合を示す抗体を選択するため、それぞれをFab化後、サンプルと混合してゲル濾過することで単一の結合サンプルピークが得られるものの選別を行った。小スケールでの結合確認の結果、目的サンプルと十分な結合を示すFab化抗体が複数作製できたことを確認した。結合が確認できた抗体についてスケールを上げて、結晶化を行った。脂質キュービック法やバイセル法などの膜タンパク質輸送体に適した結晶化法を使用して結晶化を試み、微小結晶を得ることに成功し、回折実験に供した。いくつかの結晶化条件で予備的な低分解能データを得たが、分子置換可能なレベルのデータではなかった。それぞれ結晶化条件のリファインを行ったものの、分解能を向上するには至らず、立体構造の決定はできなかった。本研究期間中に全てのFab化抗体との組み合わせでの結晶化を実施できていないため、引き続き組み合わせを変え結晶化を行っていく必要があると考えている。
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