研究課題/領域番号 |
19K06531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
橋川 直也 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (60434982)
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研究分担者 |
桜井 博 金沢大学, 保健学系, 教授 (00225848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | うつ病 / 社会敗北ストレス / マウス / うつ様行動 / 熱ショックタンパク質 / アミロイド / ミスフォールディング / アミロイドβ / HSP / Heat shock protein |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病はタンパク質の間違った折りたたみによって発症するという申請者が提唱する新たな説「うつ病ミスフォールディング説」を証明する。具体的には、うつ病モデルマウスの脳においてミスフォールディングタンパク質を組織学的手法、物理学的手法を用いて検出し、ミスフォールディングタンパク質の蓄積とうつ様症状との関連を明らかにする。また、ミスフォールディングタンパク質蓄積の原因を、①修復系タンパク質の減少、②分解系タンパク質の減少の2つに注目して解析を行う。 以上本研究を遂行することにより、申請者の仮説を検証することができ、うつ病の治療戦略においても大きな影響を与える可能性がある。
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研究成果の概要 |
タンパク質のミスフォールディングが原因でうつ病が発症することを明らかにするため、マウスに社会敗北ストレスを与え、脳海馬において凝集するタンパク質の探索を行った。その結果、ストレスを与えたマウスの海馬においてアミロイドβが増加することが明らかとなった。社会敗北ストレス負荷マウスにおいて、タンパク質のフォールディングに関わる熱ショックタンパク質を発現誘導し解析したところ、アミロイドβ量、およびうつ様行動が抑制された。 以上のことから、うつ様行動の原因の一つとしてアミロイドβの増加の可能性が明らかとなり、タンパク質のフォールディングを正常化させることで、うつ様行動を抑制できることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うつ病発症の原因となる新たなタンパク質の探索を行なった。その結果、ストレスを与えたマウスにおいてアミロイドβが増加し、アミロイドβの増加を抑制することでマウスのうつ様行動が減少することを明らかにした。今回の研究結果は、うつ病発症の原因の一つとしてアミロイドβ増加の可能性があることを明らかにし、今後のさらなる研究によりアミロイドβをターゲットとした新たなうつ病治療薬の開発が期待される。
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