研究課題/領域番号 |
19K06533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岩崎 わかな 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 専任研究員 (00332289)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | リボソーム / 翻訳 / クライオ電子顕微鏡 / ウィルス / 電子顕微鏡 / 翻訳開始 / C型肝炎ウィルス(HCV) |
研究開始時の研究の概要 |
C型肝炎ウィルス (HCV) などのウィルスは、mRNAの翻訳領域の上流にinternal ribosome entry site (IRES) と呼ばれる配列を有し、IRESの働きにより宿主のリボソームにウィルスタンパク質を合成させる。所属研究室で明らかにされた電子顕微鏡構造から、HCV IRESは、従来考えられていたよりもはるかに効率の良い機構でヒトリボソームを乗っ取ることが示唆された。本研究では、この新機構の詳細を1分子蛍光観察・電子顕微鏡解析等によりさらに解明する。
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研究成果の概要 |
C型肝炎ウィルス (HCV) のIRESによる翻訳機構の全容はまだ明らかになっていない。報告者らは、HCV IRESが遊離状態の40Sリボソームサブユニットのみならず、cap依存的翻訳反応中の80Sリボソームもハイジャックしうることを、1分子観察により明らかにした。 HCV IRESの翻訳には、翻訳開始因子eIF3が必要であるが、その役割は不明であった。クライオ電子顕微鏡により、HCV IRES依存的翻訳中のリボソームにeIF3が結合した新規複合体の構造を明らかにした。この構造と質量分析により、eIF3が翻訳開始過程のみならず、翻訳サイクルの様々な段階で、多様な役割を担うことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、HCV IRESが従来考えられてきた以上に巧妙に、宿主リボソームをハイジャックし、宿主の翻訳因子を利用していることが明らかにされた。この知見は、HCVのみならず、RNAウィルスに対する戦略を考える上で、新たな視点を加えるものである。 また、本研究で着目した翻訳開始因子eIF3は、多様な因子の足場となる巨大分子で、翻訳開始のみならず様々な役割を担うことが近年明らかにされており、癌との関わりも注目されている。本研究でeIF3の新規な構造が示唆されたことは、eIF3の多彩な機能を解明する上で基盤となる情報を与えるものである。
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