研究課題/領域番号 |
19K06534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
堀 哲哉 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 専任研究員 (20344054)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | GPCR / 逆作動薬 / ベンズアミジン派生物 / インバースアゴニスト / ベンズアミジン / ベンザミジン / 合理的設計 / Gタンパク質共役型受容体 / 合理的設計法 |
研究開始時の研究の概要 |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の逆作動薬の分子機構は様々であり、逆作動薬の合理的設計は難しい。申請者らが結晶構造解析を行ったロイコトリエンB4受容体(BLT1)では、逆作動薬中のベンズアミジン基がBLT1の膜貫通ヘリックス束内に存在するNa+-水分子クラスター結合部位に結合し、活性状態への構造変化を阻害していた。同クラスター結合部位のアミノ酸は、約800種存在するヒトGPCRの大部分で保存されているので、ベンズアミジン(派生)基はBLT1と同じ分子機構で他の多くのGPCRの活性を抑制し得る。本研究では、ベンズアミジン派生基が多くのGPCRに対する活性抑制能を有することを検証・考察する。
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研究成果の概要 |
ナトリウムイオンは、多くのクラスA GPCRの負のアロステリック因子として作用する。同イオン結合部位は、オーソステリック結合部位に隣接するが、両結合部位が空間的に繋がっているGPCRもあれば、ナトリウムイオン結合部位が塞がっているGPCRもある。ベンズアミジン基はナトリウムイオンの作用を模倣してGPCRの活性を抑制するので、ベンズアミジン基をもつ化合物はそのGPCRの逆作動薬になり得る。本研究ではナトリウムイオン結合部位が塞がっているGPCRも、ベンズアミジンを含む化合物により活性が抑制され得ることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナトリウムイオン結合部位は多くのクラスA GPCRに存在し、隣接するオーソステリック結合部位のアミノ酸配列は各GPCRで固有なので、ベンズアミジン基がナトリウムイオン結合部位に結合し、他の部位がオーソステリック結合部位に結合するbitopicリガンドは、そのGPCRの逆作動薬になると提唱した。本研究は、その結果を受けて、多くのクラスA GPCRでベンズアミジン(派生)基が活性抑制基となり得ることを示すことができたので、創薬ターゲットとなり得るGPCRの逆作動薬の設計を促進することになると考えられる。
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