研究課題/領域番号 |
19K06535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
金田 亮 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 上級研究員 (40423131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 粗視化分子モデル / 全原子モデル / 機械学習 / ベイズ最適化 / 能動学習 / 機械学習手法 / 動的相関 / 粗視化分子シミュレーション / パラメータ探索の効率化 / 相互作用ポテンシャル / タンパク質分子モーター / 統計物理 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に巨大生体分子の機能発現は非常に遅い過程(~ms)である為、全原子MDのみで解明するには計算コストの観点で限界がある。一方、粗視化分子シミュレーションは計算コストの面で現実的であるが精度の面で劣る。 そこで本研究ではこの課題を解決する為に新しい粗視化分子シミュレーション技法の確立を目指す。具体的には、まず(A)単分子蛋白に対して全原子モデル(MM)と粗視化モデル(CG)を組み合わせたMM-CGモデルを構築し大規模構造変化の機構探索を高速化する。更に、(B)粗視化分子間相互作用力場の機械学習(AI)による高精度化を目指す。
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研究成果の概要 |
構造ベースの粗視化MDは全原子MDに比して計算コストが軽く生体分子の長時間動態の調査に適している。しかし全原子MDに比べて力場精度が低く、相互作用に関連するモデルパラメータに曖昧さが残る問題が存在する。また、力場構築の際に活用する参照構造周辺にサンプリング構造がトラップされる傾向がある。 これらの問題を解消する為、短時間の全原子MDで得られた動的揺らぎの情報と機械学習手法を組み合わせた新しい粗視化分子シミュレーション技法を構築した。この手法を適用する事で、大きな蛋白系の多様な構造アンサンブルを従来の全原子MDや粗視化モデルに比して効率的かつ探索的にサンプリングする事に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した新しい粗視化分子シミュレーション技法を適用する事で、実験で観測される限られた構造を起点にして、幅広い構造アンサンブルを効率的に探索・サンプリングする事が出来る。この事は、標的蛋白質の長時間動態や多様な順安定状態の解明、相互作用機構の理解等が、必要不可欠な実践的創薬の分野において意義がある。特に標的蛋白質のサイズが大きい場合は、全原子MDシミュレーションよりも計算コストが低減できる為、効率的な創薬開発に寄与する可能性が期待される。
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