研究課題/領域番号 |
19K06544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
坂本 泰久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20613392)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞接着 / ユビキチン化 / 膜輸送 / 細胞膜 / エンドサイトーシス / インテグリン / がん / スプライスバリアント / Nedd4L |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞の異常な増殖、生存、運動はがん悪性化の原因となる。これには細胞接着分子インテグリンが関与する。一方で、ユビキチン化酵素Nedd4Lは様々ながんで発現が低下し、がん転移、期間生存率の低下といったがん悪性化と関係することから、癌抑制機能が示唆される。しかし、がん抑制における働きには不明な点が多い。 本研究は、がん細胞で見られるNedd4Lの発現低下とβ1インテグリンの活性化の因果関係をタンパク質~細胞レベルで明らかにする。本研究は、がん悪性化の一端を解明することで、病態解明・新しい診断方法・治療薬開発をするための基礎研究となる。
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研究成果の概要 |
我々はNedd4Lの免疫沈降と質量分析によってEGF依存的なリン酸化部位を同定し、リン酸化がNedd4Lの活性化に与える影響を明らかにした。さらに浸潤性の高いがん細胞株において特定のNedd4L variantが発現することを見出し、Nedd4L variantの機能解析を行った。そしてがん細胞株においてNedd4Lの発現低下が細胞の増殖と運動を亢進することを明らかにした。また、インテグリンα5、またはβ1の阻害抗体によって細胞運動が抑制されたことから、Nedd4Lノックダウンによってインテグリンα5β1の機能が亢進され細胞運動が促進することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞では細胞接着分子インテグリンが活性化し、細胞の増殖と運動を高め、がん悪性化の原因となる。一方で様々ながん種において、ユビキチン化酵素Nedd4Lの発現低下とがん悪性化の相関が指摘されているが、詳細は不明であった。本研究ではNedd4Lの発現低下がインテグリンα5β1の機能亢進を導くという直接的な結果を得た。さらにEGF受容体がNedd4Lの活性制御に関わることを明らかにした。ある種のがんではインテグリンとEGF受容体が協調的に働くことが報告されている。本研究成果はこれまで不明であったがんにおけるインテグリンとEGF受容体のクロストークを解明する手がかりになると期待される。
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