研究課題/領域番号 |
19K06548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
冨田 太一郎 東邦大学, 医学部, 講師 (70396886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ストレス応答 / 癌細胞 / 増殖抑制 / キナーゼ / 光遺伝学 / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
抗癌剤や炎症性サイトカインなどの刺激の種類に依存して、刺激を受けた細胞内シグナルは非常に動的な時間・空間的変動を示すことが明らかになっている。本研究では、p38の動的な挙動が癌細胞の増殖および増殖抑制の細胞内シグナルにどのように寄与するかを明らかにすることを目的とする。そのために、生細胞内のp38の酵素活性を任意の細胞内部位およびタイミングで人為的に誘導する新規の光操作実験系を構築し、これを用いて、細胞機能におけるp38動態の生理的意義を解明する。
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研究成果の概要 |
ヒト細胞には、細胞周期制御や細胞死を誘導することで増殖抑制に寄与する経路が存在する。本研究は、癌の増殖抑制に寄与するp38に着目しその動態と細胞機能との対応を明らかにすることを目的とした。新規のp38活性レポータおよび光遺伝学的p38制御系の開発を進めた結果、光照射なしに高効率にシグナル検出を可能にする新規レポータの構築と、光遺伝学的p38操作系の構築に成功した。そこで、培養癌細胞における単一細胞レベルの可視化解析を行ったところ、特に結腸癌由来細胞株において、抗がん剤により活性化されるp38活性と細胞死との間で時間的な関連が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、細胞内情報伝達分子の網羅的な解析技術が進み、増殖抑制に関わる分子の同定は数多く報告されているが、個々の分子が実際に生きた細胞内でどのように振る舞うかはほとんど明らかになっていない。本研究によって、さまざまな細胞種に普遍的に存在するp38分子が細胞死を誘導する際にどのような活性変動をするかを明らかにすることができた。さらに、その動的挙動と細胞機能との関連を解析するのに有用な光遺伝学的活性操作系も新規に構築することができた。これらの知見を活用することで、癌や異常免疫等に対する新たな診断法や治療法開発への応用が期待される。
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