研究課題/領域番号 |
19K06556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 祐介 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (50611498)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トリグリセリド / 中性脂質 / 魚鱗癬 / アシルセラミド / 脂肪滴 / 皮膚バリア / セラミド / リパーゼ / ドルフマン・シャナリン症候群 / トリアシルグリセロール / ミオパチー / NAFLD |
研究開始時の研究の概要 |
中性脂質トリグリセリド(TG)は全身の組織で合成と分解が適切にコントロールされており,そのバランスの破綻は様々な疾患を引き起こす。TGはPNPLA2によって分解され,この分解反応には活性化因子ABHD5が必要である。ABHD5遺伝子はドルフマン・シャナリン症候群の原因遺伝子として知られ,全身でのTGの蓄積,皮膚疾患,肝肥大,神経障害を引き起こす。これらの症状の発症にはPNPLA2以外の因子の関与が推測されるが,その分子機構は不明である。本研究では,ABHD5の未知の生理機能解明および皮膚や肝臓,脳をはじめとする様々な組織における新たなTG代謝機構の解明を目的に解析を行なう。
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研究成果の概要 |
中性脂質トリグリセリド(TG)は全身の組織で合成と分解が適切にコントロールされており,そのバランスの破綻は様々な疾患を引き起こす。ABHD5はTG分解酵素PNPLA2の活性化因子であるが,本研究ではABHD5はPNPLA2に加えセラミドアシル転移酵素PNPLA1およびTG分解酵素PNPLA3とも相互作用し,それらの活性化を担うことを見出した。PNPLA1はTGの中でもリノール酸を構成脂肪酸にもつTG特異的にアシル転移活性を示すと考えられていたが,その特異性はPNPLA1の基質特異性ではなく,表皮にのみ存在する未知のメカニズムにより生み出されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ABHD5 遺伝子変異により重篤な皮膚疾患である魚鱗癬が引き起こされ,肝疾患,神経疾患も併発する。本研究では,ABHD5遺伝子変異による魚鱗癬および肝障害がそれぞれPNPLA1およびPNPLA3の活性化障害に起因するTG代謝異常によって引き起こされることを明らかにした。これまでの多くの研究はTGの貯蔵を担う脂肪組織や肝臓などに焦点が当てられており,そのほかの組織における解析は進んでいなかったが,本研究で存在を示唆した表皮におけるユニークなTG代謝機構の分子メカニズムが今後解明されることにより,TGの様々な組織における生理的役割が明らかにされることが期待される。
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