研究課題/領域番号 |
19K06559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 富山大学 (2020-2022) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
小池 誠一 富山大学, 学術研究部工学系, 特命助教 (10431686)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SNAREタンパク質 / Rab GTPase / ホスホイノシチド / VPS13B / エンドソーム / 輸送小胞 / 膜融合 / テザリング因子 / 細胞内小胞輸送 / SNARE / Rab / Vps13B / スペクトリン / リサイクリングエンドソーム / Vps13 / Rab14 / マイクロインジェクション / 合成生物学 / 細胞内輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
オルガネラが「輸送小胞」を用いて互いに情報や物質のやり取りを行うことは、細胞内の恒常性維持に必須である。では輸送小胞は無数に存在するオルガネラの中からどのように正しい標的のみに運ばれ、認識されるのだろうか? これまでに、既知の因子のみで作製した人工輸送小胞を細胞内に導入し、その行き先を調べることで、小胞膜上のSNAREタンパク質がそれぞれの小胞のアイデンティティを決める重要な因子であることを明らかにした。そこで、本研究では、標的膜がどのように小胞のSNAREタンパク質を認識するのか、その分子実体を同定することによって、標的膜と小胞が特異的に認識しあうための必要最小構成因子を明らかにする。
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研究成果の概要 |
これまで、輸送小胞に見立てたリポソームを細胞内へ導入することで、輸送小胞が標的オルガネラへターゲッティングされるための「宛先」情報の十分条件を調べてきた。その結果、SNAREタンパク質が宛先情報として中心的役割を担っていることが分かった。本研究では、このターゲッティングの特異性決定に、Rab GTPaseとホスホイノシチドがどのように関与しているのかについて調べ、SNAREタンパク質によるターゲッティングの精度を高める働きを持つことを明らかにすることができた。また、標的オルガネラが、輸送小胞上に存在する宛先情報を解読する分子メカニズムを明らかにすることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内には無数のオルガネラが隙間なく配置されており、その合間をかい潜るように輸送小胞が行き来することで、オルガネラ間での情報や物質のやり取りが行なわれている。ただ、その行き先がどのように正しく決められているのかはよく分かっていなかった。本研究では、そのための十分条件とその分子メカニズムを明らかにすることに成功した。これは、細胞内小胞輸送の理解について大きな進歩であるとともに、十分条件を明らかにできたことは、今後人為的に細胞内輸送を制御・改変できる可能性を秘めている。今後この知見を用いることで、特定のオルガネラにのみ薬剤を届ける新規技術の開発につながる可能がある。
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