研究課題/領域番号 |
19K06560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
篠原 恭介 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20527387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 繊毛 / 微小管 / 酸化ストレス / 細胞骨格 / 微小管結合蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
活性酸素種(ROS)が細胞内で引き起こす酸化ストレスは近年研究が進み寿命や疾患との関係性が報告されている。我々ヒトの体は細胞内で発生したROSを消去する分子を備えており恒常性の維持に必須となっている。一方で、組織や細胞毎にROSを消去する特異的なシステムを備えているか、についてはまだ不明な点が多い。本研究ではROSを多く産生する気管の運動繊毛細胞が備えるROSの消去を担う新規候補分子を解析し分子基盤を明らかにする事に挑む。さらに得られた分子基盤を元に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の遺伝子治療にとって有用な知見を得る事を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では気道繊毛細胞に発現する微小管結合蛋白質をコードする遺伝子の欠損マウスで見出された予想外の表現型を解析した。電子顕微鏡による観察から欠損マウスでは不飽和脂肪酸の過酸化により生じるリポフスチンが多数認められる事を確認した。リポフスチンが形成する理由について細胞内環境の還元化を担う酵素群の観点から解析を実施したが手掛かりは得られなかった。一方、研究開始前には気付いていなかった観点として欠損マウスにおいて粘液顆粒を有する気道繊毛細胞の割合が野生型マウスに比べて増加している事が判明した。共焦点顕微鏡観察からもこの点が裏付けられ、欠損マウスでは気道繊毛細胞の分化に異常をきたしている事が分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果により、当初の目的とは異なる方向性にはなったが哺乳類の気道繊毛細胞がどのような分子の働きで成熟するかについてその一端が明らかとなった。今回得られた知見を利用する事により、加齢や喫煙により呼吸器の繊毛細胞の数が減少し発症する病気の治療方法の開発に繋がる可能性がある。
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