研究課題/領域番号 |
19K06562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
檜作 洋平 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (70568930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膜タンパク質 / 膜内切断プロテアーゼ / Rhomboid / べん毛 / III型分泌装置 / 翻訳後修飾 / 品質管理 / 抗体ラベリング / 大腸菌 / 膜内タンパク質分解 / 基質認識機構 / 構造解析 / S2P / 抗体標識 / PAタグ / ジスルフィド架橋 / タンパク質間相互作用 / in vivo光架橋法 / kinetics解析 / FRET / ロンボイド / アシル化 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌べん毛III型分泌装置構成因子FliOは予想外に複雑な翻訳後多段階プロセシングを受ける。(A)膜内切断プロテアーゼGlpGによるFliOの「切断」と、(B)FliOの新奇な「N末端アシル化修飾」について、以下の解析からその意義を明らかにする。 ■(A)-【1】様々な架橋法を用いたGlpG―基質間の相互作用解析 ■(A)-【2】in vitro再構成系でのGlpGによるFliO切断の反応速度論的解析 ■(B)-【3】未知の細胞膜外N末端アシル化修飾酵素の探索 ■(B)-【4】FliOにおけるN末端アシル化修飾の生理的意義の解明 ■(B)-【5】膜タンパク質の膜外N末端アシル化修飾のグローバル解析
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研究成果の概要 |
本研究は、細菌べん毛III型分泌装置関連因子FliOの切断と修飾という翻訳後多段階プロセシングの実態解明を目指すものである。大腸菌膜内切断プロテアーゼGlpGを介したFliOの膜内切断制御機構の解析を行い、二か所の切断部位での認識機構の共通性と相違点を明らかにし、残基レベルの相互作用様式を明らかにするとともに、FliO切断の生理的意義を示した。また、高感度・高親和性のPAタグを用いたタンパク質抗体ラベリング技術の改良を行い、FliOの切断・修飾反応の動態解析技術を進展させた。さらに他ファミリー膜内切断プロテアーゼの新規X線結晶構造を決定し、ゲート構造を介した機能制御機構モデルを提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜内切断プロテアーゼはアルツハイマー病やパーキンソン病等の重大な遺伝病の発症や微生物病原性等に深く関わるため、その分子的・酵素学的理解は創薬にもつながる重要な課題である。本研究ではFliOの多段階翻訳後プロセシングの一端であるGlpGによる膜内切断の分子機構を明らかにした。これは膜タンパク質の翻訳後機能調節機構の新たな側面を示すとともに、細菌の病原性発揮にも関わるべん毛構築の制御機構の解明につながり、細菌感染症治療においても意義がある。また、PAタグを用いたタンパク質の抗体ラベリング技術は、タンパク質への非破壊的な抗体結合を可能とし、高収量・高純度のタンパク質精製や構造解析にも応用しうる。
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