研究課題/領域番号 |
19K06570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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研究分担者 |
溝口 出 東京医科大学, 医学部, 講師 (00569527)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | EBI3 / カルネキシン / 分子シャペロン / 蛋白質発現 / gp130 / IL-23Rα / Sequestosome 1 / オートファジー / MHCクラスI |
研究開始時の研究の概要 |
生合成された蛋白質は、小胞体で分子シャペロンであるカルネキシンに結合し、蛋白質の正しい高次構造が形成される。最近、我々は、炎症誘導時には、IL-12関連サイトカイの共通サブユニットEBI3が発現誘導され、カルネキシンを介し、腸炎などの炎症性疾患の発症に重要なIL-23Rα鎖の蛋白質レベルで発現増強することを見出した。そこで、本研究は、定常状態では、カルネキシンが蛋白質の正しい高次構造の形成に重要であるが、炎症誘導時には、さらに、EBI3発現が誘導されカルネキシンと共にその標的分子の発現を増強するというこれまで考えられなかった炎症誘導時での新しい蛋白質発現の増強機構を広く一般化することを目指す。
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研究成果の概要 |
我々は、炎症時には、Epstein-Barr virus-induced gene-3(EBI3)発現が誘導されカルネキシンと共にその標的分子の発現を増強するという新しい蛋白質発現の増強機構を提案し、この概念を広く一般化することを目指している。本研究では、EBI3が会合する分子として、MHCクラスIと選択的オートファジーのカーゴ蛋白質p62/SQSTM1を見出し、その役割について明らかにした。EBI3が、カルネキシンとMHCクラスIに会合し、MHCクラスI発現を増強し、抗原提示能力を増強する可能性と、EBI3がp62への会合を介し、オートファジーを増強し腫瘍増殖を促進する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖蛋白質は、リボゾームで生合成されると分子シャペロンであるカルネキシンに結合し、小胞体で種々の修飾を受け高次構造が形成される。最近、我々は、EBI3が、カルネキシンとIL-23Raに結合し、IL-23Raの発現を増強し腸炎発症を促進していることを報告した。本研究では、さらに、EBI3がMHCクラスIやp62に結合し抗原提示能力や腫瘍増殖を促進する可能性を見出した。これまでは、蛋白質の高次構造形成は、主に定常状態での機構であり、感染などによる炎症誘導時にも同じか違うのかの議論が殆どされておらず、本研究は炎症誘導時のEBI3を介した新しい蛋白質発現の増強機構の概念を提案するものである。
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