研究課題/領域番号 |
19K06575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
柊元 睦子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (30321756)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / Gタンパク質 / シグナル伝達 / 細胞骨格 / Rac / DOCK / ELMO / GEF / 細胞運動 / SPR / X戦結晶構造解析 / Rho |
研究開始時の研究の概要 |
細胞運動は生体内で重要な役割を果たす一方、癌の浸潤・転移、免疫難病といった疾患とも密接に関連している。ELMO-DOCK複合体は低分子量Gタンパク質Racのグアニンヌクレオチド交換因子であり、細胞運動を正に制御している。近年、細胞外からの刺激に応答して三量体Gタンパク質等の複数の制御因子がまずELMOに結合することでDOCKが活性化し、Racを活性化することが報告されているが、その構造基盤は不明のままである。本研究ではスカフォールドタンパク質としてのELMOに注目し、その立体構造を制御因子との複合体の状態でX線結晶構造解析等により解析し、ELMO-DOCK複合体の活性制御機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、細胞運動を制御する足場タンパク質であるELMOに着目し、Racの活性化因子であるDOCKおよび上流制御因子との複合体の構造解析を行い、ELMO-DOCK-Racによる細胞骨格の制御機構を明らかにすることを目的とした。ELMO1-DOCK5-Rac1複合体の全体構造をクライオ電子顕微鏡により決定し、ELMO1が遷移状態のRac1に結合し、DOCK5によるRac1活性化の効率を高めていることを明らかにした。また、ELMO1とその上流制御因子の一つであるRhoGとの複合体のX線結晶構造解析から、ELMO1による新しいGタンパク質結合様式の存在を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DOCK5は、上皮細胞の浸潤・転移を促進し、がんの進行に関与することが知られている。また、DOCK5は、破骨細胞が骨吸収する際の骨への接着機能を制御しており、抗骨粗鬆症薬の開発ターゲットとしても期待されている。本研究により、DOCK5や他のDOCKファミリータンパク質がGタンパク質を活性化を制御するメカニズムがさらに解明されれば、これらの疾患に対する新しい治療薬の開発に道が拓けると期待される。また、今回発見したELMO1-RhoG複合体における新規の会合面は、がんの浸潤を制御するための低分子化合物などの設計に役立つと期待される。
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