研究課題/領域番号 |
19K06578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田久保 直子 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任講師 (60447315)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管新生 / 細胞動態 / バイオイメージング / 生物物理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、血管新生において不均一な動態を示す血管内皮細胞のマクロスコピックな動態特性および動態メカニズムを定量的に明らかにすることを目的とする。特に、申請者らがこれまでに発見した血管伸長方向に進行後に方向転換して新生血管部根元まで逆走する興味深い細胞往復運動(Uターン動態)に着目する。具体的には、細胞群の力学的相互作用が個々の細胞動態パターンに及ぼす影響を明らかにし、細胞動態特性を細胞集団の流れ場で表す数理モデルを構築する。さらに、細胞骨格や細胞外基質の変形を可視化することで、Uターン動態を含む細胞動態メカニズムを細胞の力覚応答の観点から明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、血管新生における血管内皮細胞のマクロスコピックな動態特性および動態メカニズムを定量的に明らかにすることを目的とした。細胞外基質精密成形技術を用いて、培養内皮細胞のみから構成されるin vitro血管新生モデルを確立した。作製した血管新生モデルを用いて血管新生における内皮細胞動態観察を行った結果、細胞外基質外の内皮細胞供給源において細胞集団のマクロスコピックな流れが存在することが確認された。このことから、内皮細胞供給源には細胞流が引き起こす不均一な応力場が発生していると考えられる。さらに、血管伸長と細胞外基質外のマクロスコピックな細胞流が関係することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管新生におけるセルミキシングが発見されて以来、特に先端細胞の入れ替わりのミクロスコピックな分子メカニズムが注目されている。一方、本研究は、血管構造全体の細胞動態を定量的に明らかにし、セルミキシングのマクロスコピックな特性を明らかにするという特色がある。この観点から行ったこれまでの成果として、Uターン動態を初めて発見した。さらに、血管伸長とECM外のマクロスコピックな細胞流が関係することが示唆された。 本研究により、血管新生メカニズムに関する理解が深まり、癌治療などの臨床研究へと発展することが期待される。また、内皮細胞動態の知見は、集団細胞動態の基礎的研究の観点から極めて意義が高いものである。
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