研究課題/領域番号 |
19K06582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神山 勉 名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (30170210)
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研究分担者 |
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 准教授 (90223297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レチナール蛋白質 / 光駆動プロトンポンプ / 光駆動塩素イオンポンプ / レチナールタンパク質 / 生体イオン輸送 / バクテリオロドプシン / アーキロドプシン / ハロロドプシン / 反応中間体の構造解析 / 光反応サイクル / 生体イオンポンプ / 光駆動陰イオンポンプ / レチナール光異性化 / X線結晶構造解析 / 光駆動イオンポンプ / ロドプシン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は光駆動塩素イオンポンプ・ハロロドプシンの反応状態のX線構造解析を行い、イオン輸送サイクルにおいて発色団レチナールが3種類の異性化状態を経ることを明らかにするなど、イオン輸送機構の理解に貢献してきた。一方、光駆動プロトンポンプ・バクテリオロドプシンに関しては、いくつかの反応中間体の構造決定を行ってきたものの、光サイクルの後半部分で起こる事象については未解明のままである。本研究課題においては、別種の光駆動プロトンポンプを用いて、プロトン輸送サイクルの後半で生じる反応中間体の構造決定を企て、プロトン輸送サイクルにおいてもレチナールの3段階の異性化反応が起きていることを検証する。
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研究成果の概要 |
イオン輸送性ロドプシンでは、光反応によって全トランス型のレチナール色素が13-cis型に変換され、反応サイクルの最終段階で全トランス型への異性化が熱的に起こる。本研究では、光反応サイクルの最終段階で生じるO中間体には異なる分光特性を持つ2つのサブ状態(O1とO2)が存在し、O1→O2転移でレチナールの異性化が起こることを示した。また、酸性pHでの青色の全トランス型異性体がプロトン輸送サイクル中のO2中間体と類似の分光特性を持つことを観測し、O1→O2転移時にレチナール色素の周りの環境が酸性pHでのものと同様になり、C13=C15結合の周りの捩じれエネルギー障壁が下がるという可能性を論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バクテリオロドプシン(BR)の発見以来、たくさんの微生物型ロドプシンが古細菌、真正細菌、真核生物に見出されており、それらのいくつかはニューロン活動を光制御するのに利用されている。新しく発見された微生物ロドプシンの機能・構造が精力的に調べられているが、多くの場合、微生物ロドプシンの反応スキームはBRの従来の反応スキーム(=レチナール再異性化の記述が曖昧)を参考にして組み上げられている。本研究ではO中間体には2種類のサブ状態(O1とO2)が存在し、O1→O2 転移でレチナールの再異性化が起こることが示された。我々が提唱した反応スキームは、より強力な光遺伝学的ツールを設計するのに役立つであろう。
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