研究課題/領域番号 |
19K06589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
鷹野 優 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (30403017)
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研究分担者 |
近藤 寛子 北見工業大学, 工学部, 助教 (60700028)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 水素結合 / 二次構造 / 分子力場 / 蛋白質 / 分子動力学シミュレーション / 密度汎関数法 / 量子化学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
蛋白質の機能発現の理解には長時間の分子動力学(MD)シミュレーションが必須なツールである。しかし、そこで用いられる分子力場の精度が不十分であるため計算結果の信頼性には問題が残っている。そこで、高精度のMDシミュレーションのため、これまでの研究で明らかにした「アミノ酸主鎖の水素結合エネルギーには高次構造依存性がある」という結果にもとづき、信頼性の高い量子化学(QM)計算を用いて蛋白質高次構造を解明し、それに依存する全く新規な力場関数とそのパラメータを開発する。さらに、拡張アンサンブル法から得られる自由エネルギー地形からその信頼性を確認し、第一原理計算による立体構造形成機序を解明する。
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研究成果の概要 |
タンパク質の高次構造に依存する新規な力場関数とそのパラメータを開発するために、代表的な二次構造について水素結合エネルギーを量子化学計算とNegative Fragmentation Approach (NFA)を組み合わせて計算し、古典力場との比較を行い、隣接するカルボニル基およびアミノ基の影響よりペプチド結合が脱分極し、水素結合が不安定化されることが示唆された。結果をもとに、近距離の相互作用の影響を含めることで分子力場を改良する方法について検討し、原子の電荷を改良することで量子化学計算の結果をある程度再現できることがわかってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質の機能発現の理解に長時間の分子動力学シミュレーションが必須なツールである。しかし、そこで使われる分子力場の精度に問題がある。本申請では、「アミノ酸主鎖の水素結合エネルギーには高次構造依存性がある」といった現象にもとづき、量子化学計算を用いてタンパク質構造形成に重要である水素結合の高次構造依存性の起源を明らかにし、高次構造に依存する新規な力場関数とパラメータの開発を目的に研究を進めた。その結果、代表的な二次構造であるヘリックスに関して、隣接するカルボニル基およびアミノ基の影響よりペプチド結合が脱分極し、水素結合が不安定化されることを明らかにし、分子力場の精度の改良に重要な知見を得た。
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