研究課題/領域番号 |
19K06597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺田 智樹 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20420367)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | タンパク質の構造転移 / アロステリック転移 / 粗視化モデル / 分子動力学計算 / ランドスケープ描像 / エネルギーランドスケープ理論 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素反応や分子モーターなど、タンパク質の機能発現メカニズムを理解し制御するためには、その途中で起こる現象を立体構造にもとづいて特徴づける必要がある。 本研究は、構造転移の大域的なランドスケープを計算するための、全原子分子動力学計算に代わる方法として、局所構造変化の協同性を考慮した粗視化モデルを開発する。二次構造変化、大規模ドメイン運動、複合体構造の四次構造変化といった多様な構造転移を示すタンパク質の実験事実を参照しながら、これらのタンパク質に一般的に適用できる統一的なモデルを構築し、これを用いた大域的なランドスケープの計算により、構造転移の確率的描像を確立する。
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研究成果の概要 |
近年の実験技術の発達により、タンパク質が単一の天然構造を持つだけでなく複数の構造の間を構造転移することにより機能を果たしていることが明らかになってきた。本研究では、タンパク質の構造転移を記述するとともに、構造転移を可能にする分子レベルの相互作用の設計原理を明らかにする粗視化モデルとしてカメレオンモデルを構築し、さまざまな形で構造転移する複数のタンパク質に適用した。特にアデニル酸キナーゼについては、自由エネルギーランドスケープ計算から得られる構造転移速度の温度依存性が酵素反応速度の温度依存性をよく説明することが示され、妥当なモデルの構築に成功したことが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質は天然条件下では決まった構造をとるが、機能を果たすさいには複数の構造のあいだで構造転移を起こす。例えばタンパク質を人工的に改変して、酵素反応の速度を上げようとするさいには、この反応の途中で起こる構造転移の速度を制御する必要がある場合がある。このような場合に、タンパク質のどの部分をどのように改変すべきかを知るためには、構造転移の経路を計算機上で多数生成して、それらを確率的に扱う必要がある。本研究ではそのような用途で用いられるカメレオンモデルを構築し、実験事実との比較からモデルの妥当性を示した。
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