研究課題/領域番号 |
19K06600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
宮澤 淳夫 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (60247252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アセチルコリン受容体 / 神経筋接合部 / 電子顕微鏡 / 相関顕微鏡観察 / 相関顕微鏡法 / ES細胞 / シナプス / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
神経筋接合部のポストシナプスには特徴的なひだ構造があり、神経伝達物質受容体とその結合タンパク質によるクラスターが形成されている。これらは、シナプスの形成に伴い成熟し、老化や神経筋疾患により急激に退化することから、シナプスの機能に重要な役割を果たしている。そこで本研究では、(1)受容体クラスターの成熟と崩壊に関わる分子メカニズム、(2)シナプスに非常に多い細胞内小胞の機能的な役割、(3)ひだ構造の形成と構造学的な意義、の解明を目指す。そのため、培養細胞を用いた神経筋接合部のシナプスモデルを作製し、分子レベルでの計測のために光学顕微鏡とクライオ電子顕微鏡による相関顕微鏡法を確立し、解析を行う。
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研究成果の概要 |
神経筋肉接合部(NMJ)では、運動神経終末から放出されるアセチルコリンが、筋細胞膜(ポストシナプス)に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に結合することで、神経の情報が筋肉に伝えられる。効率良く情報伝達するために、nAChRはNMJで集積しクラスターを形成しているが、その機構は未解明な部分が多い。本研究では、クラスター形成機構に関わっていると考えられる筋細胞膜から細胞内小胞へ取り込まれた筋特異的受容体チロシンキナーゼを、光-電子相関顕微鏡解析により検出することができた。また、胚性幹細胞から作製した筋細胞と運動神経の共培養を検討し、運動神経と筋細胞の接合部を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
nAChRが筋細胞膜に集積し始めた時期にある筋細胞内では、電子顕微鏡により検出された小胞中の筋特異的受容体チロシンキナーゼが、nAChR集積機構の一端を担っている可能性が示された。nAChRクラスターの形成は、運動神経から筋肉への効率良い情報伝達に必要不可欠である。この情報伝達の分子機構を明らかにすることは、加齢に伴い神経-筋肉間の情報伝達に問題が生じ、その結果として骨格筋の筋力低下を伴う疾患の予防や治療、リハビリテーションの確立につながる研究である。一般的に筋力低下は、日常生活の質の著しい低下をもたらすことから、予防法や改善法が確立できれば、高齢化社会における重要な社会貢献となる。
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