研究課題/領域番号 |
19K06601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
柴山 修哉 自治医科大学, 医学部, 教授 (20196439)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ヘモグロビン / アロステリー / 酸素親和性 / MWCモデル / 結晶構造解析 / ゾル・ゲル法 / アロステリックモデル / 結晶構造 / 酸素平衡曲線 / 多孔性シリカゲル / 酸素平衡機能 / 構造機能相関 |
研究開始時の研究の概要 |
Monod-Wyman-Changeuxの2状態アロステリックモデルは、生命科学における最も単純かつエレガントな理論モデルの一つである。しかし、原型のモデルでは、アロステリック蛋白質の典型であるヘモグロビンの挙動を定量的に記述できないこともまた知られている。本研究では、結晶中ヘモグロビンの酸素平衡曲線測定による結晶構造の直接機能決定、及び、水を含む多孔性シリカゲル中で状態間遷移を凍結したヘモグロビンの機能解析(全機能状態の洗い出し)を行う。これらの方法を駆使して、ヘモグロビン分子のとりうる全ての構造状態の機能を決定し、構造機能連関を説明する最終的なモデルを確立する。
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研究成果の概要 |
タンパク質分子の機能調節に関わる構造変化は、ヘモグロビン(Hb)の事例を下敷きとしてTense(T)状態とRelaxed(R)状態との間の2状態転移で説明されることが多い。しかし、肝心のHbでは、2状態モデル的な理解が定量的な意味で成功していない。HbはX線結晶構造解析法が最初に適用されたタンパク質の一つであるが、その結晶構造と溶液中機能との関係が未だ整理されておらず、未解決の課題として残されている。本研究では、結晶中Hbの酸素平衡曲線測定による結晶構造の直接機能決定、及び、水を含む多孔性シリカゲル中で状態間遷移を凍結したHbの機能解析を行い、Hbのとりうる構造と機能の関係を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘモグロビン(Hb)のアロステリック効果のメカニズムを理解するためには、溶液中に平衡状態で存在すると考えられる各構造とその機能を直接関連づけることが重要である。それにもかかわらず、この種の研究は国内外でほとんど行われていない。この現状を鑑み、かつ、研究代表者の柴山の経験と実績を踏まえ、本研究は立案・遂行された。本研究により、HbのR状態、T状態の持つ機能的柔軟性の構造的基盤が定義され、これらの成果は、Hbのアロステリック効果を説明する新しい構造機能連関モデルの創造へとつながることが期待される。
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