研究課題/領域番号 |
19K06606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大島 勇吾 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (10375107)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 電子スピン共鳴 / イメージング / 近接場プローブ / 活性酸素種 |
研究開始時の研究の概要 |
活性酸素種(ROS)は高い反応活性を持ち生体組織やDNAに損傷を与える可能性があり、その有害性が生物学や医学の方面から指摘されている。そこで本研究では、ROSの同定と定量化を得意とする電子スピン共鳴(ESR)のスピントラップ法を用い、生体組織のどの部位からどの活性酸素種(ROS)が発生しているかの可視化を可能にする「ESRイメージング装置」の開発を行う。ミリ波と近接場プローブを組み合わせたESRイメージング装置の開発を行っていく事によって、これまでESRイメージングで問題となってきた、水の誘電損失の問題や空間分解能の問題を解決し、生体試料に適したROSイメージング装置の基礎研究を行う。
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研究成果の概要 |
電子スピン共鳴(ESR) は、活性酸素腫などを同定・定量化できる強力な手法であるにもかかわらず、電磁波侵入長などの問題から、医学用/生物用のイメージング技術としてはあまり多く利用されてない。本研究は、これまでのESRイメージングで問題になっている、水によるマイクロ波の誘電損失や空間分解能の問題を解決するべく、ミリ波や近接場を用いたESRイメージング技術の開発を試みた。本研究ではESRイメージング装置のプロトタイプを構築したが、ミリ波パワーの損失や電波干渉の問題に合わせて、試料のポジションに関係なくESR吸収が起き、鮮明なESRイメージが得られないため、異なる手法が必要である事が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は昨今のESRイメージング研究における問題を解決するべく、新しいアプローチを導入したが、研究期間内で鮮明な画像は得られなかった。ESRイメージングの空間分解能を上げるために近接場を用いるアイデアは妥当であったと考えるが、近接場に利用したチップなどがESR励起用の発振源とESR検出用のプローブを同時に兼ねているところに問題があった。ミリ波ESRイメージングの成功のためには、発振源とESR検出を異なる方法によって切り離す必要があるという事が今回判明した。 一方で、本研究で通常のESR装置の性能が向上したため、物性物理学(特に磁性研究)においていくつかの成果を挙げ、論文発表をしている。
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