研究課題/領域番号 |
19K06613
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大橋 英治 九州大学, 理学研究院, 講師 (90378951)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | DNA損傷 / チェックポイント / DNA修復 / シグナル伝達 / 二本鎖DNA切断 / 削り込み / DNA損傷チェックポイント / DNA損傷応答 / タンパク質間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内でDNAが損傷を受けると、それを感知して伝える仕組み(DNA損傷チェックポイント)とその損傷を取り除く仕組み(DNA修復)が働く。その両方に機能すると考えられている9-1-1(Rad9-Hus1-Rad1)複合体は、DNA損傷に応じてDNAを取り囲む形で装着される。この9-1-1のDNA装着反応と、9-1-1によるDNA損傷チェックポイントやDNA修復の促進反応については、これまで別々に研究されていた。本研究では、9-1-1がDNAに装着されてから脱装着されるまでに起こる一連の反応ネットワークを理解することを目的とし、精製したタンパク質や細胞抽出液を用いた試験管内再構成系を確立する。
|
研究成果の概要 |
DNA損傷チェックポイントクランプ9-1-1(Rad9-Hus1-Rad1)はDNA損傷時に多面的に働く。本研究では、最も重篤なDNA損傷、二本鎖DNA切断(DSB)時の9-1-1の役割を解析した。9-1-1は、別の多機能因子Mre11-Rad50-Nbs1(MRN)と重複して、損傷に応答したシグナル伝達経路を活性化することや、相同鎖を利用したDNA修復の初期過程である削り込み反応を促進すること、またそれらの反応の鍵となる因子と分子機構を明らかにした。本研究は、9-1-1及びMRNが損傷応答活性化と削り込み反応を同時に行うしくみや、削り込みに伴う損傷応答経路遷移のしくみの理解に貢献した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は現在、抗がん剤や農薬、環境汚染物質などDNA損傷を生じるような様々な化学物質に晒されている。また近年CRISPR-Casシステムなどを用いたゲノム編集が盛んに行われており、効率よくゲノム編集するために二重鎖切断が用いられている。このように、さまざまなDNA損傷や、二重鎖切断後に細胞内で起こる反応を正確に知ることは非常に重要である。これまで、損傷後のチェックポイント応答や、二重鎖切断後の反応は、別々に解析されることがほとんどであったが、本研究ではこれらを同時に調べる系が確立できた。また、それらの両反応に2つの多機能複合体が重複して機能することを示すことができた点は大変意義深い。
|