研究課題/領域番号 |
19K06614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
日詰 光治 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10378846)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | DNA複製 / ヌクレオソーム / クロマチン / ヒストン / 複製 / 原子間力顕微鏡 / AFM |
研究開始時の研究の概要 |
新生鎖にヌクレオソームが形成されるメカニズムを明らかにする。とりわけ、直接可視化の手法を取ることで、ヒストンシャペロンと期待される各因子(CAF1、Asf1、Mcm2やDpb3-Dpb4など)の分子機能や、それらにより形成されるヌクレオソームの配位、もしくはクロマチン高次構造を明らかにする。そのために、各ヒストンシャペロン因子によるヌクレオソーム形成の様子をin vitroで再現し、その生化学的解析とAFM可視化解析を行う。また、各ヒストンシャペロン因子の変異株である酵母細胞から複製フォークの形成されたミニ染色体を回収し、それをAFMにより観察することで新生鎖のヌクレオソーム構造を検出する。
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研究成果の概要 |
ヒストンシャペロンといわれているDNA複製因子のDpb3-Dpb4やMcm2のN末端領域(Mcm2N)は、本研究における生化学的解析においては、ヌクレオソーム形成能を示さなかった。Mcm2Nとヒストンとの相互作用をプルダウンアッセイで調査したところ、ヒトのMcm2についての報告と同様に、ヒストンH3-H4に強い親和性を示した。また、Mcm2Nとヌクレオソームとの相互作用は全く検出されなかった。このことは、ヌクレオソームの内部に位置するヒストンにはMcm2Nはアクセスできず、複製フォークの進行により解離した鋳型鎖ヌクレオソームから遊離したヒストンをMcm2Nが捕捉しうる特徴を示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒストンを鋳型鎖から新生鎖に受け渡す複製因子は、ヒストンと十分な親和性で相互作用する必要があり、かつ、新生鎖に譲渡するためにその相互作用は一定条件で解消される必要もある。また、鋳型鎖から新生鎖への方向性をもって、ヒストンを移動させなければならない。本研究において検出されたMcm2Nとヒストンとの結合様式の解析を進めることで、例えば液-液相分離などで重要な“緩い結合”が、生理的な意義をもつ代表例として他の事例の解釈にも応用される知見となりうる。
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