研究課題/領域番号 |
19K06631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
加藤 朋子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 研究員 (10638802)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 相同組換え修復 / HDR / CRISPR-Cas9 / スクリーニング / DNA修復 / HDR亢進因子 / NHEJ抑制因子 / CRISPR/Cas9 / HDR亢進 / NHEJ抑制 / 相同組み換え / HDR因子 |
研究開始時の研究の概要 |
世界に蔓延する多くの遺伝性疾患が点変異を起因とするものである。近年のゲノム編集技術の台頭により、これまで以上に自在にゲノムの改変が行えるようになり、さらにオフターゲットがなく、安全性が担保されれば、ゲノム編集による治療の実用化が可能な段階となってきた。代表者の研究室では、より高効率に正確なゲノム編集を誘導できるシステムを開発している。本研究では、医療応用に向けたゲノム編集による治療の実現を目指し、これまでの知見に囚われずにHDRを亢進すると同時にNHEJを阻害する因子を、cDNAライブラリを利用して新たに開拓することを目的とする。
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研究成果の概要 |
CRISPR-Cas9は医療に応用可能な技術として着目されている。しかし、DNA二重鎖切断後に生じる修復のうち、鋳型DNAとの相同組換えによる修復(HDR)が正確な編集に寄与するが、同時に塩基の欠失・挿入を伴うNHEJが高頻度で生じてしまう。本研究では、HDRとNHEJを生じた細胞を同時に検出可能なレポーターシステムを用いて、HDR亢進因子のスクリーニングを行った結果、NHEJを生じた細胞に比べてHDRを生じた細胞で極めて高い発現を示す遺伝子を複数同定した。さらにそれらの遺伝子オントロジー解析を行ったところ、DNA修復や細胞周期に関連する遺伝子であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は正確なゲノム編集技術の確立を目指すと同時に、CRISPR-Cas9の分子機構の解明を更に加速させる可能性を秘めている。特に、HDR効率の高い哺乳類細胞からcDNAライブラリを用いたゲノムワイドな研究と、HDRとNHEJの同時検出を可能にするレポーター遺伝子を用いたスクリーニングの組み合わせによる研究は画期的な研究手法である。既存の概念を打破した研究への展開には、CRISPRスクリーニングは必須のツールであり、本研究により正確なゲノム編集が達成できれば、国内外問わず、ゲノム編集の実用化に向けての礎となる重要な成果となる。
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