研究課題/領域番号 |
19K06635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 宏明 京都大学, 医学研究科, 助教 (90738006)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | LUBAC / ユビキチン / 細胞死 / 直鎖状ユビキチン鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞死が顕著に抑制されるHOIL-1L Ubリガーゼ変異体発現細胞を用いてLUBACの抗細胞死に働く新規基質の同定を試みる。またHOIL-1L Ubリガーゼ変異体発現細胞とOTULIN欠損細胞の比較を行う。前者細胞では細胞内の直鎖量は増加し、細胞死が抑制されるが、後者では直鎖は増加するものの細胞死は何故か亢進することがわかっている。両者の違いはLUBAC自身の直鎖化の有無が大きいと考えられるので、LUBAC自身の直鎖化による細胞死制御メカニズムを明らかにする。これらの解析を通して、直鎖化される基質により細胞の生死が決定されるメカニズムを探索する。
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研究成果の概要 |
直鎖状ユビキチン(Ub)を特異的に生成するLUBACリガーゼは直鎖生成の活性中心HOIP、アクセサリー分子HOIL-1L、SHARPINからなりNF-kB活性化、細胞死抑制に関与する。HOIL-1Lにも存在するUbリガーゼ活性を消失させるとLUBACの直鎖形成が亢進し、細胞死が顕著に抑制された。一方で直鎖を特異的に切断するOTULINの欠損細胞では直鎖は増加するものの、細胞死は亢進した。その機序を解明し、HOIL-1LがLUBACをモノUb化し、そのUbが直鎖化されることでLUBACの機能を抑制し、OTULINがLUBACの直鎖を切断することでLUBACの機能抑制を解除することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LUBACはNF-kBシグナルや細胞死抑制を担う非常に重要なタンパク質複合体である。特にNF-kBや細胞死はがんなどの様々な疾患と深い関係があるため、LUBAC、直鎖の制御機構を解明することは非常に重要である。 本研究ではLUBACの新たな制御様式を明らかにし、HOIL-1LのUbリガーゼ機能の欠失がLUBACの機能亢進に関与することを見出した。また細胞内直鎖が亢進するOTULIN欠損細胞では細胞死が亢進し、そのメカニズムとしてLUBAC自身の直鎖化が関与していることを見出した。これらはLUBACの新たな制御機構を明らかにするもので、非常に重要な意義を秘めている。
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