研究課題/領域番号 |
19K06640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松沢 健司 九州大学, 理学研究院, 講師 (30778668)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 上皮細胞接着 / 上皮細胞 / 細胞間コミュニケーション / 細胞骨格 / 集団細胞運動 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞が接着を維持しながら運動する様式を集団細胞運動と呼ぶ。集団細胞運動は、正常発生過程のみならず、がん細胞の浸潤・転移の過程でも観察され。個々の細胞が自由に運動する場合と異なり、細胞集団が効率良く運動するためには、集団を形成する細胞が運動の方向性やスピードを協調させる必要がある。本研究提案では、張力依存的に起こるAJの構成要素のリモデリングと細胞内生化学的シグナ ル(RhoAやERKの活性および細胞内Caイオンの変化)の間に存在するブラックボックスについて、最新の近位プロテオミクス技術およびイメージング技術を駆使し、集団細胞運動の全容解明を目指す。
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研究成果の概要 |
上皮組織は、組織を構成する細胞の伸縮を制御することで、発生やその恒常性維持における完全性を保ち、生体内部を外部環境から密閉することができる。また、創傷治癒における集団細胞運動のように、組織を構成する上皮細胞の固有の収縮力を動的に調節することで、組織の完全性を環境応答的に維持する。本研究プロジェクトでは、上皮細胞接着複合体の可塑性を通して個々の細胞が収縮力を調節する仕組みに着目し、上皮細胞シートの恒常性維持に寄与するメカニズムを解明している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮細胞間の張力の均衡は、上皮細胞シートの恒常性に必須である。このような細胞同士の間に生じる機械的な張力を介した情報伝達は、上皮細胞の増殖や運動を制御する重要な役割を担うことが近年明らかになっており、今回の成果は、上皮細胞の異常によって生じる癌の病態解明にもつながることが期待される。また、上皮細胞シートの恒常性の破綻は、アトピー性皮膚炎や炎症性腸疾患などの慢性炎症を引き起こすことが明らかになっており、今回の発見は慢性炎症疾患に対する新たな予防法や治療法を開発する上で基礎となる知見である。
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