研究課題/領域番号 |
19K06655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 健 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00303602)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 小胞輸送 / リン酸化 / COPII / 小胞体 |
研究開始時の研究の概要 |
ERからの小胞輸送を制御する因子として、COPII因子群、およびER exit site形成に関わる因子であるSec16が受けるリン酸化、脱リン酸化に着目し、これらと相互作用する出芽酵母で既知の脱リン酸化酵素(32種)を酵母two-hybrid法により同定を行う。候補となる脱リン酸化のターゲットとなる因子について、脱リン酸化がおよぼす影響を試験管内再構成系による分子機構解析や、欠損株や疑似リン酸化変異体を発現させた株のライブセルイメージングによる解析など、酵母の特性を活かしたin vitroとin vivoの両面からのアプローチにより制御機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
真核細胞内では小胞輸送を介して盛んに物質や情報のやりとりが行われている。この小胞輸送はオルガネラ間での脂質成分のやりとりをともなうため、物質輸送だけでなくオルガネラの形成・形態維持とも密接に関わる反応であることが示唆されている。しかし、小胞輸送による膜の流れを制御・調節するしくみについての知見は驚くほど少ない。 本研究では、出芽酵母の小胞体ーゴルジ体間の小胞輸送をモデル系として、この反応に関わるCOPII因子群、および輸送小胞の形成が行われる小胞体出口部位の形成に関わるSec16が受けるリン酸化・脱リン酸化に着目し、小胞体ーゴルジ体間の小胞輸送がリン酸化・脱リン酸化により制御されるメカニズムと、それに関わるオルガネラ形成についての徹底的な理解を目指す。 令和4年度は、前年度までに同定した、PP2Aフォスファターゼが脱リン酸化するCOPIIコートサブユニットのT21残基について、引き続きこの部位のリン酸化・脱リン酸化が小胞輸送やオルガネラの形態形成におよぼす影響について解析を行った。前年度に作成したT21残基を非リン酸化残基、あるいは疑似リン酸化残基に置換したCOPIIコートサブユニットを発現する酵母株を用いて、これらの小胞輸送機能や、オルガネラの形態形成能について解析を行った。 また、Sec16について、小胞体出口部位が形成される際に、小胞体膜に局在するSec12ホモログであるSed4との相互作用が必要なことを見いだし、解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の拡大による出勤の制限、また物流の停滞がもたらした研究資材入手の遅れのため、研究計画において設定した今年度達成すべき項目について、やや遅れがある。しかし、次年度の研究につながる成果は得られている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに作成した、PP2Aフォスファターゼが脱リン酸化するT21残基の非リン酸化変異体、および疑似リン酸化変異体を発現する酵母変異株を用いて、この部位のリン酸化・脱リン酸化が小胞輸送やオルガネラの形態形成に与える影響について解析を進める。また、Sec16についても、小胞体出口部位が形成される際にSed4との相互作用がおよぼす影響について解析を進める。
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