研究課題/領域番号 |
19K06661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
柏崎 隼 神戸大学, 研究基盤センター, 助教 (70570654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 収縮環 / ミオシン / 分裂酵母 / 細胞質分裂 / 超解像顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
動物や菌類の細胞では、細胞が分裂する部分につくられる収縮性のリング(収縮環)が収縮することで細胞膜がくびれ込み、細胞が二つに分かれる。この収縮には収縮環中の収縮に関わるタンパク質が適切に並んでいることが重要だと考えられている。本研究は、分裂酵母の収縮環におけるタンパク質の配向を超解像顕微鏡を用いて明らかにすることを目的としている。また、収縮環の成熟や収縮の進行に伴う配向の変化も明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
細胞分裂は単細胞生物ではその増殖に、多細胞生物では発生、成長、個体の維持に必須の生命現象である。細胞分裂は核分裂と細胞質分裂の二つのステップからなり、動物細胞では、分裂面の細胞表層に形成されたアクチンとミオシンIIを主成分とする収縮環の収縮に伴って細胞膜がくびれ込み、細胞質分裂が起こる。収縮環が収縮するためには、筋肉の筋原線維(サルコメア)のように逆平行のアクチン繊維の束と、ミオシンIIの双極性複合体(繊維)が並んでいることが必要と考えられるが、いまだよくわかっていない。本研究は、分裂酵母の収縮環中のミオシンIIがどのように配向しているか、その配向が収縮環の成熟や収縮の進行に伴いどのように変化するかについて、超解像顕微鏡を用いたタンパク質配向解析法の確立を通して明らかにすることを目的としている。 2022年度は、引き続き1)ミオシンII分子の配向解析法の確立、2)収縮環の成熟、収縮の進行に伴うミオシンII分子の配向の変化について調べるための実験材料の作製を進めた。これまではミオシンII重鎖の頭部(アミノ末端)と尾部(カルボキシル末端)にそれぞれ異なる蛍光タンパク質を融合したものを発現する分裂酵母株を用いていたが、自身のプロモーターで上記の融合タンパク質を発現する分裂酵母株を作製し、超解像観察を行ったところ、発現量が低く、蛍光タンパク質の明るさが不十分であった。そこで、蛍光タンパク質ではなく、蛍光標識リガンドと共有結合するHaloTagを融合したミオシンを発現する分裂酵母株を作製し、蛍光標識リガンドによるラベル条件を検討した。蛍光標識HaloTagリガンドにより収縮環に蛍光がみられ、ミオシンIIの局在を可視化することができた。しかし、HaloTag融合株において細胞の形態異常がみられたため、細胞質分裂への影響を詳細に解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
蛍光標識リガンドと共有結合するHaloTagを融合したミオシンを発現する分裂酵母株が取得できたため、これを用いて超解像顕微鏡解析を行おうとしたが、細胞の形態異常がみられたため、方法の検討に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
細胞質分裂への影響について確認した上で、蛍光標識リガンドと共有結合するタンパク質を融合したミオシンを発現する分裂酵母株を用いて超解像観察を行う。ゴーストだけでなく、生細胞でも超解像観察を試みる。並行して他の収縮環構成因子についても蛍光標識リガンドと共有結合するタンパク質を融合したものを発現する株の作製を行い、目的の株が得られた段階で順次超解像観察を行っていく。
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