研究課題/領域番号 |
19K06662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柳谷 耕太 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70614775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | オルガネラ / ミトコンドリア / 翻訳制御 / ミトコンドリア量制御 / 選択と集中 / 細胞周期 / ストレス応答 / ホメオスタシス / オルガネラ量恒常性 / 核-オルガネラコミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物において、好気呼吸によるATPの合成や細胞外へのタンパク質分泌、脂質の代謝などの細胞の生命機能に必須な反応は、ミトコンドリアや小胞体、ペルオキシソームなどの細胞内小器官(オルガネラ)で分担して遂行される。哺乳類を含む高等動物においては、同じ種類の細胞間では、各オルガネラの量は驚くほど類似している。この事実は、それぞれの種類の細胞に、オルガネラ量の正常範囲があり、この正常範囲内にオルガネラ量を戻す恒常性維持機構が存在することを示唆しているが、十分には研究されていない。本研究では、このオルガネラ量の恒常性を維持する機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
一般的に、恒常性を研究する場合、その恒常性を撹乱する方法が必要となる。そこで、本研究では、狙ったオルガネラの量を人為的に減少できる細胞を樹立し、その対象オルガネラが不足状態になった際に、どのように細胞が対抗するのかを調べた。本研究期間では、主に、ミトコンドリア不足に対する応答をオミックス解析やライブイメージングを駆使して炙り出したところ、統合ストレス応答が活性化することが見出された。統合ストレス応答下では、サイトゾルのタンパク質合成のみが抑制されることから、ミトコンドリア不足下では、ミトコンドリア-サイトゾルタンパク質合成のバランス調節が起こっていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリア量の異常減少は、ガンや糖尿病、脳卒中などの疾患や老化の過程で起こることが知られている。本研究では、ミトコンドリア不足の状態は、ISRを活性化させ、ミトコンドリア-サイトゾルタンパク質合成のアンバランスを解消させることが明らかになった。ただし、長く続くISRの活性化は、細胞死の誘導や拒食症誘導ホルモンGDF15の放出などを介して、細胞・個体レベルでの悪影響を引き起こすことが知られている。そのため、ミトコンドリア不足の可能性がある上記の疾患群では、ISRの亢進による病態悪化が起こっているかもしれない。本研究成果は、上記疾患群のISRを対象とした治療法の開発に貢献する可能性がある。
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