研究課題/領域番号 |
19K06681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
木村 健二 関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (40644505)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 細胞質流動 / 初期発生 / 極性形成 / 受精卵 / キネシン / 核配置 / 線虫 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの動物の正常な受精卵の中では、細胞内における活発な流れ(細胞質流動)が生じており、体外受精に重要な良い卵と悪い卵を区別するための指標の候補として注目されている。しかし、細胞質流動には複数のタイプがあり、それぞれの流れが果たす役割は完全には理解されていない。そこで本研究では、線虫の受精卵で生じる細胞質流動を操作して流れのタイプを変え、その発生への影響を卵内のオルガネラ配置変化に注目して調べる。本研究により、各タイプの細胞質流動が卵内に及ぼす効果が明らかになり、体外受精の成功に重要な正常に発生する良い卵を選別するための非侵襲的な指標として細胞質流動が用いられるようになることが期待できる。
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研究成果の概要 |
多くの動物の受精卵の中では、集団的な細胞質の流れ(細胞質流動)が生じることが知られている。細胞質流動には複数のタイプがあり、それぞれの流れが果たす役割の理解は未だ不十分である。本研究では、線虫の受精卵における流れる方向が確率的に変化する細胞質流動に注目し、その発生における影響を解析した。卵内に侵入した精子由来の核(精子核)の動きを調べたところ、細胞質流動により精子核が押し流されることが判明した。一部の精子核はその侵入点とは逆側まで流され、その結果として胚の前後軸極性が通常とは逆転することがわかった。今回の結果から細胞質流動の確率的なふるまいが細胞極性の決定に寄与することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
需要が高まり続ける体外受精の分野では、活発な細胞質の流れ(細胞質流動)を示す受精卵の発生成功率が高いことから、正常に発生する質の高い卵を選別する上での非侵襲的な指標として細胞質流動が注目されている。しかし、具体的にどのような流れが何のために必要なのか未だ不明な部分が多く、指標としては不十分である。本研究により、線虫受精卵において細胞質流動の流れる向きが精子由来の核の配置を変えることで発生過程に重要な体軸の決定に影響することが初めて明らかになった。今回の成果により、卵の発生過程に細胞質流動が及ぼす効果の理解が進み、正常に発生する卵を見分ける上で細胞質流動が重要な指標となりうることが支持された。
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