研究課題/領域番号 |
19K06683
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
日下部 りえ 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (70373298)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ヤツメウナギ / 形態進化 / 骨格筋 / 中胚葉 / 舌筋 / 鰓下筋 / 筋分化 / 円口類 / 軟骨魚類 / 神経堤細胞 / 進化発生 / 体節 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の頭部および頸部には、さまざまな発生起源をもつ筋肉が存在する。なかでも鰓下筋群(舌筋および舌骨下筋群など)の前駆細胞は、後頭部の体節から脱上皮化し、咽頭の後方を迂回して長距離を移動するという特殊な発生過程をたどる。体節に由来し、長距離を移動する筋芽細胞は、舌筋や四肢の筋のように、体軸から離れた遠位での複雑な筋形成を可 能にしたと考えられる。本研究は、円口類や軟骨魚類など、進化の初期に分岐した動物にも鰓下筋群が存在することに注目し、前駆細胞の移動と分化のタイミングの相違点、またどのような制御を受けて骨格や運動神経との連携をつくるかという問題に迫る。
|
研究成果の概要 |
脊椎動物の頭部および頸部には、さまざまな発生起源をもつ筋肉が存在する。なかでも鰓下筋群(哺乳類では舌筋および舌骨下筋群が含まれる)の前駆細胞は、後頭部の体節から脱上皮化し、咽頭の後方を迂回して長距離を移動するという特殊な発生過程をたどる。本研究では、円口類や軟骨魚類など、脊椎動物進化の初期に分岐した動物群にも鰓下筋群が存在することに注目し、前駆細胞の移動と分化のタイミングの相違点に注目した。本研究では、脊椎動物の初期進化において、筋芽細胞の移動と分化タイミングの制御に関わる遺伝子が重複し、脊椎動物の複雑で多様な形態に寄与したことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで鰓下筋の発生過程は、顎口類のいくつかのモデル動物(主にマウス、ニワトリ、ゼブラフィッシュ)で研究されてきたが、前方の体節ごとに細胞運命を追ったものがほとんどである。一方で、種ごとに大きく異なる顎顔面形態との関連や、鰓下筋の可塑性・多様性に迫った研究は例がなかった。 本研究では、寄与する鰓下筋のドメインが体節ごとにあらかじめ決まっているという仮定を取り払い、脱上皮化して体節を離れた筋芽細胞のそれぞれが、周辺の非筋組織との相互作用に応じて分化のタイミングを決めている可能性に注目した。得られた結果から、鰓下筋を構成する筋要素が段階的に付け加わり、複雑化したという進化過程が明らかになった。
|