研究課題/領域番号 |
19K06686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕公 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (40545571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 受精 / プロテオミクス / イメージング / タンパク質分解 / 卵子活性化 / 初期発生 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、哺乳類の卵の質・胚の質に関する理解はいつになく強く求められている。本研究では、非侵襲的な胚の質判別法の開発も視野に、基礎生物学的な胚の質の理解を進めるために受精直後の胚表面タンパク質の動態を明らかにする。受精直後は、卵子活性化と呼ばれる多様な諸過程が短時間で進行するため、卵子活性化の時間制御や低侵襲性イメージングなどの新規技術を駆使して、受精卵の状態を正確に捉え、かつ卵子活性化の一部過程を欠く受精卵を意図的に作出する工夫により、解析効率を飛躍的に深める。本研究の成果は、基礎生物学的貢献だけでなく胚の質評価という重要課題に関わる因子の発見も十分期待できる。
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研究成果の概要 |
現在、高齢化等による卵の質の低下が注目される。本研究では、未受精卵や受精後の卵のマウス卵が持つタンパク質について網羅的に解明するプロテオミクス解析を推進し、それらタンパク質の動態と動作原理、そしてその意義について解析した。 この研究により、マウス卵が呈するタンパク質構成の動態を体系的に明らかにした。また、低侵襲性観察法を駆使して受精後に胚表面から失われる細胞膜上タンパク質群の分解機構を初めて明らかにし、この分解が胚の健康な発生に必須だと証明した。これは比較的アクセスしやすい胚の表面の因子と胚の質に関する初めての決定的な因果関係であり、今後の基礎応用両面への発展が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、マウス未受精卵や受精後卵といった活性化前後の卵について定量プロテオミクス解析を行った。存在量が高く受精能を決定づけるタンパク質の詳細な機能解析を推進しつつ、胚の質の理解にむけ、胚の表面タンパク質の胚発生中の動態について動態解析を行った。この結果、受精必須因子であるCD9が細胞膜に曲率をもたらしていることを発見した。また、胚表面の胚発生に関与するタンパク質群がPKC酵素活性とタンパク質のユビキチン化依存的に胚表面から細胞内の分解機構に輸送され、これが胚発生にとって重要であることを発見した。これは、受精の直後に胚の質を検定する新たな手法の概念に通じる。
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