研究課題/領域番号 |
19K06689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
荻野 肇 広島大学, 両生類研究センター, 教授 (10273856)
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研究分担者 |
越智 陽城 山形大学, 医学部, 准教授 (00505787)
井川 武 広島大学, 両生類研究センター, 准教授 (00507197)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 発生 / 進化 / ゲノム / アフリカツメガエル / ネッタイツメガエル / エンハンサー / ゲノム重複 / 非同義置換 / 神経系 / 転写因子 / 偽遺伝子 / ゲノム編集 / ツメガエル |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の発生制御遺伝子群は、ゲノム重複により多くの倍加遺伝子を形成してきた。それらにおいては、倍加コピーの1つが新機能を獲得したり、倍加コピーの間で祖先遺伝子の機能を分担するようになったり、あるいは倍加コピーの1つが偽遺伝子化したりしたと考えられているが、その運命選択の仕組みは殆どわかっていない。この問題に対して本研究では、僅か約1,700万年前にゲノム重複を経験後すぐに分岐した姉妹種、アフリカツメガエルとキタアフリカツメガエル、及び両種の祖先型2倍体ゲノムを持つネッタイツメガエルを用いて、倍加遺伝子進化の初期過程を比較解析し、進化運命の選択を制限する要因を解明する。
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研究成果の概要 |
脊椎動物の遺伝子群は、ゲノム重複により多くの倍加遺伝子(オーノログ)を形成してきた。オーノログペアにおいては、その片方の遺伝子が新機能を獲得したり、2つの遺伝子の間で祖先遺伝子の機能を分担するようになったり、あるいは片方の遺伝子が偽遺伝子化してシングルトンに回帰したりしたと考えられているが、その運命選択の仕組みは殆どわかっていない。この問題に対して本研究では、遺伝子構造が進化運命に与える影響に注目し、ツメガエル属で起きたゲノム重複のみならず真骨魚類の系譜で起きたゲノム重複をも解析対象として、祖先遺伝子のエンハンサーの数がゲノム重複後にオーノログの収斂進化を引き起こす可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの多くのゲノム重複研究は、遺伝子を機能で分類して、どのような分類グループが重複後も2コピーで維持されやすいか、あるいはシングルトン化しやすいかの傾向を調べることに留まってきた。しかし同じ機能グループの中にあっても、オーノログ形成後にシングルトン化するものもあれば、2コピーで維持されるものもあり、それらの進化運命選択の機構は全くわかってはいなかった。本研究では、まず転写因子遺伝子群に解析対象を限定することで機能の影響を排除し、祖先遺伝子の構造がオーノログの進化運命を拘束して収斂進化を引き起こす可能性を示した。このような発見は国内外において前例がなく、進化発生学におけるその意義は大きい。
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